顎関節症
4.顎関節症を放置する危険性
4-5 耳鳴りがするようになる
耳が付いている側頭骨と下顎の骨によって構成される関節が顎関節です。そのため顎関節症になると耳にも影響を及ぼし、耳鳴りという症状として現れることがあります。
4-6 めまいが起こるようになる
私たちは、内耳にある三半規管と耳石器の働きにより、体の平衡感覚を保っています。顎関節症の影響が耳に及ぶとそれらの器官や働きにも異常をきたすようになり、平衡感覚を失ってめまいを起こすようになるのです。
4-7 自律神経失調症の原因となる
自律神経は、活動したり緊張したりすると働く交感神経と、休んでいるときやリラックスしているときに優位に働く副交感神経から成り立ちます。
本来、両者の神経は状況に合わせてバランスをとって働いていますが、顎関節症により脳がストレスを感じると、交感神経ばかりが優位に働いてしまいます。その結果バランスが崩れ、自律神経失調症をきたすことがあるのです。
顎関節症
4.顎関節症を放置する危険性
肩こり
4-1 肩こりが悪化の一途をたどる
顎関節症が肩こりの原因となっている場合、顎関節症の痛みでさらに肩に力が入る、体が歪むなどします。結果、肩こりは悪化の一途をたどっていくでしょう。
4-2 口の開閉がスムーズにいかなくなる
顎関節症を放置すると、繊維組織のずれが大きくなる、筋肉の緊張状態が進む、筋肉の炎症や骨の変形が悪化するなどで、最後には口の開閉がスムーズにできなくなります。
また機能的には問題がなくても、顎関節症の痛みがあることで無意識に口を大きく開けられなくなることもあるのです。
4-3 五感に異常が出てくる
顎に近い歯や舌の痛み、味覚異常の他、目の疲れや耳鳴りなど五感にまで影響していきます。さらに悪化すると、手足のしびれや呼吸のしにくさを感じるといった非常に怖い状態になることもあるのです。
4-4 うつ病の引き金となる
顎関節症による不眠や痛みなどによりうつ病になる場合と、顎関節症を引き起こす原因とうつ病と引き起こす原因とが似通っていることにより、両方を発症する場合とがあります。
後者では、例えば体の歪みが原因で噛み合わせが悪いままでいると、脳が大きなストレスを感じ、ささいなことでうつ病を発症しやすくなるということです。
顎関節症
3.顎関節症を治すと肩こりが改善する理由3-1 顎の筋肉を緩められる顎関節症では、顎の筋肉が緊張状態になっています。
顎の筋肉が緊張すれば、その周辺にある首や肩などの筋肉も緊張し、それがこりの原因となるのです。
よって顎関節症を治して顎の筋肉の緊張状態を解いてあげると首や肩の緊張も緩み、肩こりが改善します。3-2 顎の痛みが解消する顎関節症の痛みにより、肩に余計な力が入っていることがあります。
そのことが原因で肩こりになっている場合は、顎関節症を治して顎の痛みから解放されることで、肩に力が入ることがなくなり、肩こりが改善するのです。3-3 姿勢がよくなるそもそも顎関節症には、姿勢の悪さが関係していることが少なくありません。姿勢の悪さにより顎関節症を発症し、顎関節症の痛みでより姿勢が悪化する、という悪循環を起こしていることもあります。その悪循環を断ち切ることにより姿勢が良くなり、体の歪みが原因である肩こりの改善が見込まれます。
顎関節症
2-3 ストレートネックになっている
首を形成している骨を横から見てみると、本来は自然なS字カーブが描かれていますが、姿勢の悪さや首周辺のケガなどでカーブが失われ、真っすぐになってしまうことがあります。
これをストレートネックといいますが、ストレートネックでは首が受ける衝撃を吸収できないため、首周辺の筋肉に大きなストレスがかかるのです。顎の筋肉も影響を受けやすいため、ストレートネックから顎関節症、そして肩こりと繋がっている可能性が考えられます。
2-4 歯ぎしりや食いしばりがある
歯ぎしりや食いしばりは、顎関節症を引き起こす原因のひとつです。歯ぎしりや食いしばりの癖に加え、ひどい肩こりがある場合は、顎関節症が関係しているかもしれません。
2-5 口を開けたり、咀嚼したりすると痛みがある
顎関節症の特徴的な症状が、口を開けた時や咀嚼時の痛みです。
よって口を開けた時や咀嚼時の痛みと肩こりは、顎関節症のサインとも言えます。
2-6 その他の判別方法
上記で挙げた例以外でも、食べ物を左右のどちらかで噛む癖がある、食べ物や飲み物を飲み込みにくい、うまく表情を作れない、話しづらい、頭痛といった症状があれば、顎関節症が肩こりの原因になっている可能性があります。
顎関節症
2.顎関節症による肩こりの判別方法
2-1 片方の肩や首に強いこり
顎関節症の原因として、噛み合わせや姿勢の悪さ、頬杖をつく癖といったことが挙げられます。顎関節症になる人には体の左右に歪みを抱えていることも多いため、これにより、肩こりの症状にも左右によって違いが生まれやすくなります。
2-2 左右の目尻や口角の高さが違う
顔のパーツの歪みや、使い方の癖で顎関節症が引き起こされることもあります。わかりやすいのは、左右の目尻や口角の高さです。
鏡の正面で、左右の目尻や口角の高さを確認してみましょう。左右差があり、肩こりに悩まされているのであれば顎関節症が原因かもしれません。
2-3 ストレートネックになっている
首を形成している骨を横から見てみると、本来は自然なS字カーブが描かれていますが、姿勢の悪さや首周辺のケガなどでカーブが失われ、真っすぐになってしまうことがあります。
これをストレートネックといいますが、ストレートネックでは首が受ける衝撃を吸収できないため、首周辺の筋肉に大きなストレスがかかるのです。顎の筋肉も影響を受けやすいため、ストレートネックから顎関節症、そして肩こりと繋がっている可能性が考えられます。
顎関節症
顎関節症と肩こりは密接な関係があります。ひどい肩こりがあり何をやっても改善せず悩んでいたら、実は顎関節症が原因だったということも少なくないのです。また顎関節症による肩こりを放置していると、両方の症状が悪化するだけなく、頭痛や耳鳴り、めまいさらには自律神経失調症やうつ病の引き金になりうるというから非常に怖いのです。ではなぜ顎関節症になると肩こりになるのか、つらい痛みはどのようにして引き起こされるのか、そしてそれらのつらい症状から解放されるには何をすればいいのか…今回はこれらを中心にしてまとめてみました。
顎関節症や肩こりに悩まされている方はぜひ参考にしてみてください
1.顎関節症が肩こりを引き起こす1-1 顎関節症について顎関節症とは、顎の関節周囲で何らかの問題が起こっている状態を言います。症状としては「口を開けると痛い」「口を大きく開けられない」「口を開けた時に顎やこめかみがカクカクなる」といったものです。原因は顎関節にある繊維組織がずれる、顎を動かす筋肉が炎症を起こす、顎関節を構成する骨が変形している、などが考えられます。1-2 顎関節症と肩こりの関係顎関節症になると、顎の筋肉が緊張状態になります。顎の筋肉が緊張すれば、すぐ近くにある首や肩の筋肉も緊張し、肩こりや首のこりを引き起こします。加えて、顎関節症の痛みにより体に力が入ってしまい、それが肩こりを引き起こすことも少なくありません。
タバコを喫わないのに肺がん。なぜ?
毎日の食事に大豆食品を
エストロゲンが肺腺がんに影響を与えることから、化学構造が似ていて、大豆食品に多くふくまれるイソフラボンの働きが注目されています。
イソフラボンを多くとると、エストロゲン作用が増加するように思えますが、肺がんについては不思議なことにその反対なのです。
国立がん研究センターの調査によれば、タバコを喫わない男性の場合、イソフラボン摂取量が多いほど肺がん発症リスクが低くなることが判明しています(※5)。イソフラボン摂取量がもっとも多いグループ(平均値で1日当たり48ミリグラム)は、もっとも少ないグループ(平均値で1日当たり9ミリグラム)と比較して、肺がん発症リスクが半分以下(約43%)と、はっきりとした予防効果がみられます。
また、タバコを喫わない女性の場合には、男性ほど顕著ではないものの、やはりイソフラボン摂取量が多いほど肺がんの発症リスクは減少します(摂取量がもっとも多いグループの発症リスクは、もっとも少ないグループの約67%)。
ちなみにこの報告では、イソフラボン12ミリグラムは豆腐で40g、納豆で3分の1パックに相当する量としています。もっとも多いグループは、毎日その4倍を食べている計算になります。
その一方で、喫煙者の場合には、イソフラボン摂取の効果はみられません。
これらのことから、予防のためにはまず禁煙すること。そして、イソフラボンをふくむ食べ物を多くとることが大切だといえます。イソフラボンの多い大豆食品には、豆腐や納豆のほか、大豆の煮豆、湯葉、豆乳、おから(うの花)などがあります。毎日しっかり食べるようにしましょう。
(※5)2010年に発表された国立がん研究センターによる多目的コホート研究の1つで、45~74歳の男女約7万6000人を対象とした調査。この調査では肺腺がんに限定せず、肺がんを対象としています。
また、欧米では、果実や野菜にも予防効果があるとする調査結果もみられますが、日本の調査では果実や野菜の効果は確認されず、国立がん研究センターによる別の調査では「果実にその可能性がある」とだけしています。
※
タバコを喫わないのに肺がん。なぜ?
空気中の汚染物質にも注意を
肺腺がんのもう1つの原因と推定されるのが汚染大気です。
私たちは呼吸するたびに、空気中にあるさまざまな有害物質(細菌やウイルス、自動車の排気ガス、タバコの煙、工場の煤煙など)を吸い込んでいます。肺の末端にある肺胞では、白血球の一種である肺胞マクロファージが有害物質を感知し、除去しています。この防御システムによって、肺胞の機能が守られています。
しかし、肺胞マクロファージが有害物質を取り除くとき、活性酸素が発生します。活性酸素は細菌などの除去に役立っていますが、大量に発生すると正常な細胞まで傷つけてしまいます。その結果、肺胞付近の細胞にがんが発生するリスクが高くなるのです。
吸い込む有害物質が多くなれば、それだけ肺胞マクロファージの出番が増え、活性酸素の発生量も増えます。大都市や工業化の進んだ都市に、肺腺がんの発生率が高いとされるのは、空気中の有害物質に触れる機会が多いからです。
予防のためには、できるだけ空気中の有害物質を体内に入れないように注意する必要があります。「風邪など呼吸器系の病気に気をつける」、「ウォーキングやジョギングは排気ガスの多い幹線道路沿いを避け、公園・緑地などを利用する」、「受動喫煙(ほかの人のタバコの煙)を避ける」などを心がけましょう。
タバコを喫わないのに肺がん。なぜ?
原因の1つは女性ホルモン肺腺がんの場合、喫煙も原因の1つですが、扁平上皮がんほど大きな影響はありません。では、喫煙以外の原因とは、何なのでしょうか。
近年のさまざまな調査研究から、「女性ホルモン」と「汚染大気」の2つが有力視されています。
女性ホルモン(エストロゲン)については、月経期間の長い(初潮が早く、閉経が遅い)女性や、エストロゲン補充療法を受けた女性に、肺がんの発症率が高いことが以前から報告されていました。このことからエストロゲンの影響についての研究が進められ、現在ではエストロゲンの体内合成にかかわる遺伝子と、肺がん(とくに肺腺がん)との関係や発症の仕組みが解明されつつあります(※4)。
その結果、エストロゲンの量や濃度が、肺腺がんのリスクを高める要因の1つであると考えられています。また、タバコを喫わない女性に、エストロゲンの影響が大きい傾向がみられることも指摘されています。
エストロゲンは高脂血症や高血圧の予防にも役立つ大切な女性ホルモンですが、その一方で、月経期間の長い女性やエストロゲン補充療法を受けた(受けている)女性の場合は、エストロゲン濃度が高くなる機会が増え、量も多くなります。それだけ肺腺がんのリスクも高くなることを忘れずに、定期的にCT検査を受けるようにしましょう(ちなみに男性の体内でもエストロゲンは合成されていますが、その影響についてはまだ不明です)。
(※4)国立がん研究センター研究所などによる遺伝子解析から、CYP19A1遺伝子の多型がエストロゲンの量に個人差をもたらすこと、また、エストロゲンが、肺腺がんの前駆(前段階)とされる細気管支肺胞上皮がんの発生に影響を及ぼすことがわかってきています。
タバコを喫わないのに肺がん。なぜ?
肺腺がんの早期発見
私たちが息を吸うと、空気はノドから気管支をとおり、肺に入ります。肺の中には細い気管支が木の枝のように広がっていて、その末端にある肺胞という部分で、二酸化炭素と酸素の入れ替えがおこなわれます。
肺腺がんは、その肺胞のある末端部付近にできるがんです(※3)。
一般に肺がんの症状といえば、咳と痰が代表的なもので、さらに息切れ、血痰(血の混じった痰)、胸痛、ゼーゼーいう呼吸音などがよく知られています。ところが肺腺がんは、肺の奥深くにできるため、初期には咳や痰などの症状がなかなか出ません。
あるときいきなり血痰が出て、驚いて検査を受けると、すでにかなり進行していた、というケースが少なくありません。なかには脳や骨に転移し、頭痛や腰痛、背中痛などがひどくなって検査を受け、発見されることもあります。
その一方で、胸部レントゲン検査で見つかることもあるので、早期発見のためにはまず定期的に健康診断を受けることが大切です。また、CT検査(X線断層撮影)では、肺腺がんはガラス様陰影(曇りガラスのような影)となって見えます。
咳や痰などの症状がなくても、息切れや胸痛などがある場合には、早めにCT検査を受けるようにしましょう。
(※3)肺腺がんは、肺の奥の粘液などを分泌する細胞(組織)にできます。一方、喫煙の影響を受けやすい扁平上皮がんは、肺の入り口付近の細胞(組織)にできやすいがんです。