ワカメなどの海藻 よく食べる人は心筋梗塞リスク低く
日本の中年男女を対象とする研究で、ワカメや昆布、海苔などの海藻をほぼ毎日食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症するリスクが低いことが分かりました。特に女性では、リスクが44%低くなっていました。
海藻は、ミネラルやビタミン、水溶性食物繊維、フラボノイドなどを豊富に含んでいます。これまでに、海藻に含まれるカロテノイド、ペプチド、繊維が、総コレステロール値、血糖値、血圧に好ましい影響を与えるという報告がありました。また、日本人において、食物繊維の摂取量が心血管疾患(脳卒中や虚血性心疾患)のリスクと逆相関することも示されていました。しかし、海藻の摂取量と心血管疾患リスクの関係については、質の高い検討は行われていませんでした。
そこで筑波大学の村井詩子氏らは、日本人を対象として、海藻の摂取量と脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)または虚血性心疾患(心筋梗塞、心臓突然死)[注1]を発症するリスクの関係を調べることにしました。
「座りっぱなし」は健康むしばむ がん死亡リスク高く
がんで死亡したグループの1日の座位時間は13時間
がんで死亡した人たちのグループをそうでない人たちのグループと比べると、がんで死亡したグループは高齢で、男性が多く、喫煙者が多く、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)歴のある患者が多く、さらに、座位時間の合計が長くなっていました。1日当たりの合計座位時間の平均は、がんで死亡したグループは777.3分で、そうでないグループの741.8分より約35分長くなっていました。1回当たりの座位持続時間(中断なしに座り続けた時間)の平均は14.0分と11.4分でした。軽い運動を行った時間は、1日当たり154.8分と189.2分、中強度から高強度の運動を行った時間は7.9分と13.4分で、いずれもがんで死亡したグループで少なくなっていました(全て統計学的な有意差あり)。
座っている時間の合計が最も短い人から最も長い人までを一列に並べて3等分し、最低三分位群(2667人)を参照群として、第2三分位群(2668人)、最高三分位群(2667人)のがん死亡リスクを比較しました。
年齢、人種、性別、居住地域、学歴、加速度計を装着した季節、喫煙習慣、飲酒習慣、BMI(体格指数)、糖尿病、高血圧、脂質異常症、冠動脈疾患歴、脳卒中歴、中強度から高強度の運動を考慮して分析したところ、最低三分位群に比べ、第2三分位群と最高三分位群のがん死亡リスクは有意に高いことが明らかになりました(表1)。
「座りっぱなし」は健康むしばむ がん死亡リスク高く
座ったまま過ごす時間(座位時間)とがんによる死亡の関係を調べた研究で、1日の座位時間の合計が長いほどがんで死亡するリスクが高くなることが分かりました。ただし、座っている時間を減らして代わりに運動すれば、リスクは低下する可能性も示されました。
「座っている時間」を自己申告ではなく客観的に計測
座りっぱなしの生活が、総死亡(あらゆる原因による死亡)や心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)による死亡のリスクを高めることは、これまでに行われた研究でも示されており、2015年には、座位時間とがん死亡リスクの関係も報告されています。しかし、いずれの研究においても、座位時間は自己申告に基づいており、客観的な計測は行われていませんでした。また、座位ではない時間に行う運動の影響については、検討されていませんでした。
そこで、米Texas大学MD Andersonがんセンターの研究者たちは、加速度計を用いて客観的に測定した座位時間の合計と、中断なしに座り続けた時間(座位持続時間)が、中高年者のがん死亡リスクに及ぼす影響を調べることにしました。また、座っている時間を減らし、代わりに運動すると、がん死亡リスクにどのような影響が及ぶのかも調べました。
米国で、2003年から2007年に、45歳以上の3万人あまりの米国人(白人および黒人)を登録しました。その時点でがんの治療を受けている患者は除外しました。それらの人々を対象として、2009年5月12日から2012年12月31日までの期間に、加速度計を用いた調査を行いました。7日間連続して、起きている間はずっと、腰に加速度計を装着するよう依頼しました。
記録された加速度計のカウント数に基づいて、身体活動レベルを以下のように判定しました。0~49カウント/分:座位、50~1064カウント/分:軽い運動、1065カウント/分以上:中強度から高強度の運動
加速度計を1日に10時間以上装着した日が4日以上あり、死亡に関する追跡データが得られた8002人(平均年齢69.8歳、男性が45.8%)を分析対象にしました。平均追跡期間は5.3年で、その間に268人(3.3%)ががんで死亡していました。
正しい姿勢をキープしたまま歩くコツは?
<姿勢をチェックするためのルール>
(1)「正面から見て傾きはないかをチェック」
⇒肩の左右の高さが均等か、首や顔が傾いていないかを見る。「左右対称に筋肉を使っていれば、背中は真っすぐで肩も傾かないはず。姿勢を保つ筋肉に左右差があると、バランスが崩れてしまいます」(平泉医師)
(2)「横から見て真っすぐかをチェック」
⇒尻が出っ張ったり猫背になっていないかを見る。「筋肉をきちんと使えていないと姿勢は崩れがちになります」(平泉医師)
(3)「目を閉じて姿勢を正せるかをチェック」
⇒「視覚での修正」ができない状態で姿勢を確認する。具体的には、目を閉じて姿勢を正し、目を開いた時に姿勢が崩れていないかを見直そう。「目を開いていると、平衡感覚がとりやすく自分の体も見えるので姿勢を修正しやすい。目を閉じていても正しい姿勢がとれるように体に覚えこませましょう」
その腰痛・肩こり・膝痛… 「悪い歩き方」が原因かも
通常、背骨や首はS字状にゆるやかに湾曲することで重い頭を支え、地面からの衝撃をバネのように吸収して和らげている。この湾曲が正常な形でなければ、頭を支える首や、体の上下をつなぐ腰に負担がかかるのだ。
姿勢の悪い人は体の軸がズレていて骨盤が後傾するため、股関節や膝が曲がってしまっているケースが少なくない。その場合も、腰や膝に痛みが出やすいですね
急いで進もうとしているのか、前かがみになって歩く人もよく見かけるが、「これは意味のない歩き方」姿勢がゆがんでいるためにエネルギーが分散し、ひどくなると下半身の関節に負担がかかり、痛みが膝にまで広がるのだという。
姿勢によって、これほど痛みやこりを引き起こすリスクが潜んでいるとは驚きだ。そこで、「正しい姿勢に矯正するための壁立ちポーズ」のルールを教わった。
<正しい姿勢に矯正するための壁立ちポーズのルール>
(1)肩甲骨と骨盤を意識して壁につけ、アゴは引いて視線は前に
(2)肩甲骨を寄せて胸を開く
(3)壁と腰の間の隙間がこぶし1つ分程度になるように腹部を引っ込める
(4)膝を伸ばす
(5)腕は体の前ではなく横に沿わせる
(6)体が真上に引っ張られているような感覚で、上半身を伸ばす
…これが、理想的な姿勢だ。
女性に多いのは「そり腰」、男性は「猫背」 私も早速、トライ。すると、腰がそっているのでウエストが壁から離れて、こぶし2つ分ほどの大きな隙間ができた。 女性に典型的な『腰のそりが強いタイプ』ですね。女性は男性に比べて体が柔らかいので腰をそらせがちなんです。この姿勢で歩くと、腰を支える腹筋を使えないので疲れやすく、腰に負担がかかりやすい。つまり腰痛になりやすい姿勢といえます 男性は、猫背で腕を体の前にダラリと下げてしまうタイプが多いそうだ。 猫背でうつむいて歩いている男性をよく見かけます。これでは
女性に多いのは「そり腰」、男性は「猫背」
私も早速、トライ。すると、腰がそっているのでウエストが壁から離れて、こぶし2つ分ほどの大きな隙間ができた。
女性に典型的な『腰のそりが強いタイプ』ですね。女性は男性に比べて体が柔らかいので腰をそらせがちなんです。この姿勢で歩くと、腰を支える腹筋を使えないので疲れやすく、腰に負担がかかりやすい。つまり腰痛になりやすい姿勢といえます
男性は、猫背で腕を体の前にダラリと下げてしまうタイプが多いそうだ。
猫背でうつむいて歩いている男性をよく見かけます。これでは背骨や首の湾曲部分が減少してしまうため、首と腰に負担がかかり、首こりや腰痛を招きやすくなります
そり腰は腰痛、猫背は首こりなどの原因に
通常、背骨や首はS字状にゆるやかに湾曲することで重い頭を支え、地面からの衝撃をバネのように吸収して和らげている。この湾曲が正常な形でなければ、頭を支える首や、体の上下をつなぐ腰に負担がかかるのだ。
姿勢の悪い人は体の軸がズレていて骨盤が後傾するため、股関節や膝が曲がってしまっているケースが少なくない。その場合も、腰や膝に痛みが出やすいですね
急いで進もうとしているのか、前かがみになって歩く人もよく見かけるが、「これは意味のない歩き方」姿勢がゆがんでいるためにエネルギーが分散し、ひどくなると下半身の関節に負担がかかり、痛みが膝にまで広がるのだ
その腰痛・肩こり・膝痛… 「悪い歩き方」が原因かも
正しい歩行でなければ、歩いてもムダ!?
普段、特別な運動をしていなくても、「いつもより長く歩いてみよう」「通勤時間は歩くようにしよう」と、歩く時間を増やしている人は少なくないだろう。しかし…
「せっかく健康のために歩く時間を増やしても、正しい歩行をしなければ、ムダ。むしろ、不健康な歩き方で体を痛めている人をよく見かけますね」
かく言う私も、運動する時間が割けない時こそ、移動時間を上手に使おうと、歩いて移動することが多い。でも、「健康に良い」と思い込んでいたのに、かえって「不健康」で体を痛めているだけだとしたら、至急、なんとかしなければいけない(汗)
私の患者さんの中で、体の中で痛みを訴える声が多いのは1位が腰痛、2位肩こり、3位膝痛。この予防のためには、本来、体を動かすことは良いことなんです。動かさないと筋肉同士がくっついてしまい、動きが悪くなります。硬くなってしまった筋肉をムリヤリ動かそうとするから『痛み』につながる。これが痛みやこりの正体。それだけに、『痛む部位の筋肉こそ、上手に動かして鍛える』ことが大切です。ウオーキングは手軽に無理なく始められる全身運動といえますね
ならば、歩く時間を増やすことは良いことのように思える。
ただ、歩き方によっては、腰や膝を悪くする可能性もあるんです。歩いている人を観察していると、腰痛や膝痛を引き起こしそうな人を多く見かけますから
歩いている人を見るだけで、体を壊しそうな人が分かるとは! では、どうやったら、「不健康ではなく、健康につながる歩き方」ができるのだろうか?
その腰痛・肩こり・膝痛… 「悪い歩き方」が原因かも ※全角25文字以下 25/25 本文
突然だが、まずは下記のチェックリストで自分に当てはまるものをチェックしてみよう。
□歩行時や立っている時、意識をしないと腕が体の前に出てしまいがちだ
□よく、「猫背だね」と指摘される
□気が焦って、前のめりに歩いてしまう
□信号待ち、電車を待っている時など、片足に重心を置いて立っている
□真っすぐに歩けない(歩いていると、いつの間にか左か右に寄っていきがちだ)
□荷物をいつも同じ側で持っている
これは「健康を害する歩行姿勢チェック」。このうち2つ以上当てはまる人は、体がゆがみ、腰痛・肩こり・膝痛のどれかに既に悩まされているか、近い将来、それらが生じる可能性が高い人だ。
借金を増やさない日常生活のコツ
【スマートフォンを見る時】「正しい姿勢で、脚を組まないのが理想ですが、そうしようと頑張るとストレスを感じることも。スマートフォンを見る時は、普段と逆に脚を組み、膝にカバンをのせて体が前傾しないように工夫して」
●いつもと逆に脚を組む●カバンの上にひじを置く