「座りっぱなし」は健康むしばむ がん死亡リスク高く
がんで死亡したグループの1日の座位時間は13時間
がんで死亡した人たちのグループをそうでない人たちのグループと比べると、がんで死亡したグループは高齢で、男性が多く、喫煙者が多く、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)歴のある患者が多く、さらに、座位時間の合計が長くなっていました。1日当たりの合計座位時間の平均は、がんで死亡したグループは777.3分で、そうでないグループの741.8分より約35分長くなっていました。1回当たりの座位持続時間(中断なしに座り続けた時間)の平均は14.0分と11.4分でした。軽い運動を行った時間は、1日当たり154.8分と189.2分、中強度から高強度の運動を行った時間は7.9分と13.4分で、いずれもがんで死亡したグループで少なくなっていました(全て統計学的な有意差あり)。
座っている時間の合計が最も短い人から最も長い人までを一列に並べて3等分し、最低三分位群(2667人)を参照群として、第2三分位群(2668人)、最高三分位群(2667人)のがん死亡リスクを比較しました。
年齢、人種、性別、居住地域、学歴、加速度計を装着した季節、喫煙習慣、飲酒習慣、BMI(体格指数)、糖尿病、高血圧、脂質異常症、冠動脈疾患歴、脳卒中歴、中強度から高強度の運動を考慮して分析したところ、最低三分位群に比べ、第2三分位群と最高三分位群のがん死亡リスクは有意に高いことが明らかになりました(表1)。