自律神経と筋肉
3、ヒトの運動時における筋交感神経活動
運動時における筋交感神経活動の促進は大脳からの下行性の中枢性指令によるものではなく、筋収縮に伴う末梢からの求心性入力によって反射性に引き起こされるものと考えられています。
この場合、骨格筋支配の交感神経活動は拮抗筋や遠隔筋の収縮によっても促進されるため、体性神経系でみられるような相反性支配の原理は当てはまりません。
*相反性神経支配とは、
主働筋が収縮する際に拮抗筋を収縮させない(弛緩させる)命令が出されるというような、互いに拮抗しあう筋の活動を抑制するメカニズムのことです。相反性抑制ともいいます。
自律神経と筋肉
一方、筋交感神経は筋紡錘や筋の侵害受容器などの末梢感覚受容器をも支配することが明らかにされています。
そ の結果、伸張反射や屈曲反射などの運動反射をも間接的に制御し、筋の緊張状態に影響を及ぼすと考えられます。
筋紡錘への交感神経を介する遠心性の作用は、γ 運動神経を介する γバイアスに対して、交感神経バイアスと 呼ばれます。
上述した交感神経の電気刺激が錘内筋の張力を高め、筋紡錘からの自発性発射を増し、緊張性振動反射を抑制するという知見は、筋交感神経が静的な γ-運動神経と同様に働くことを示唆すると思われます。
精神緊張、寒冷などのストレスが骨格筋の緊張を高める機序の一部には筋交感神経活動の促進による持続性伸張反射の充進が関与すると推定されます。
自律神経と筋肉
2、交感神経による骨格筋支配
骨格筋の張力は副腎髄質支配の交感神経の刺激やアドレナリンの全身投与によっても変化し、速筋では単収縮張力の上昇と持続時間の延長、遅筋では単収縮張力の低下と持続時間の短縮の出現することが知られています。
機能的にも交感神経の電気刺激が骨格筋内の筋紡錘を形成する錘内筋の張力を高め、筋紡錘からの求心性インパルスを増すという動物実験での知見が報告されています。これは骨格筋α 受容体を介する反応とされています。
これらの知見は交感神経が運動の効果器としての骨格筋を直接支配し、その活動性を調節する役割をも担うことを強く示唆するものです。
自律神経が乱れている方には次のような特徴があります。
様々な症状が同時多発的に起こることが多いようです。
腰痛、膝痛、腱鞘炎、なんとなくだるい、熟睡できない、疲れが取れない、スッキリ起きれない、天候や精神状態によって症状が悪化する、など不定愁訴を併発するようです。
など、一見自律神経とは無関係に思える症状が慢性化し治りにくくなります。
病院で検査を受けても異常なしと言われる状態です。
自律神経と筋肉
2、交感神経による骨格筋支配
骨格筋の張力は副腎髄質支配の交感神経の刺激やアドレナリンの全身投与によっても変化し、速筋では単収縮張力の上昇と持続時間の延長、遅筋では単収縮張力の低下と持続時間の短縮の出現することが知られています。
機能的にも交感神経の電気刺激が骨格筋内の筋紡錘を形成する錘内筋の張力を高め、筋紡錘からの求心性インパルスを増すという動物実験での知見が報告されています。これは骨格筋α 受容体を介する反応とされています。
これらの知見は交感神経が運動の効果器としての骨格筋を直接支配し、その活動性を調節する役割をも担うことを強く示唆するものです。
自律神経と筋肉
1、運動と神経系
自律神経系は心臓や血管などの生命の維持に重要な器官を支配するほか、骨格筋や体性感覚受容器をも支配し、侵害受容器などからの体性、感覚入力によっても反射性に制御されることが明らかになりつつあります。
また、自律神経系は心臓や血管などの生命の維持に重要な器官を支配するほか、後述するように骨格筋や体性感覚受容器をも支配し、侵害受容器などからの体性、感覚入力によっても反射性に制御されることが明らかになりつつあります。
体性神経系と自律神経系と間には密接な相互関係が存在するため、最近では両者を厳密に区別することは困難とされています。 運動の調節にも体性神経系と共に、自律神経系の関与が重要であり、自律神経系は体性神経系と共同して運動を支える神経系ということができます。
痺れ
「手根管症候群」
手関節の症状
症状初期には示指、中指がしびれ、痛みがでますが、最終的には母指(親指)から環指の母指側の3本半の指がしびれます(正中神経の支配領域)。急性期には、このしびれ、痛みは明け方に強く、目を覚ますと手がしびれ、痛みます。手を振ったり、指を曲げ伸ばしするとしびれ、痛みは楽になります。手のこわばり感もあります。ひどくなると母指の付け根(母指球)がやせて母指と示指できれいな丸(OKサイン)ができなくなります。縫い物がしづらくなり、細かいものがつまめなくなります。症状
痺れ
気になる症状 疑われる病気名
しびれがある 体のどちらか片側 脳出血など脳血管障害
手指 親指、人差し指、中指がしびれたり、手首が痛む(手や指を動かすと和らぐ) 手根管症候群、腱鞘炎など
薬指と小指の知覚障害、手指に力が入らない 肘部管症候群など
上肢 手指や腕のしびれ・痛み、徐々に首や肩のうずくような痛み 胸郭出口症候群など
上肢のしびれ・痛み、手指の感覚異常、歩行障害、めまい 頸椎症など
上肢のしびれ・痛み・麻痺、温痛覚がなくなる、歩行障害 脊髄空洞症など
下肢 腰痛、下肢の痛み・しびれ、下肢の筋力低下、排便・排尿障害 腰椎椎間板ヘルニアなど
下肢の冷感・しびれ、間欠性跛行 閉塞性動脈硬化症など
四肢 手足のしびれ、首の痛み、午後~夕方にかけて増強、痙性歩行 頸椎椎間板ヘルニアなど
手足のしびれ、痙性歩行、排便・排尿障害 頸椎後縦靭帯骨化症など
脚気、手足のむくみ・しびれ、筋力低下、ふらつき歩行 ビタミンB1欠乏症など
手足の先から体の中心に向かって進行するしびれ・ピリピリ感 糖尿病性神経症など
痺れ
糖尿病性神経障害によるしびれ
糖尿病の神経障害で、主に末梢神経が侵されます。手足にしびれやこむら返り、走るような痛みがあれば要注意。神経障害の初期に多い症状は、指先や足先がなんとなくジンジンする感じや足の裏に1枚紙を貼ったような感じがすること、あるいは痛みやしびれ感、神経痛があるといった症状です。また、この神経障害が起こると、次第に痛みを感じる神経が鈍くなって、心筋梗塞など重大な病気にかかってもそれに気付かないことがあります。
特に注意したいのは足のしびれ。足の動脈が動脈硬化のために細くなったり、あるいは詰まったりしている場合、足がしびれたり、足が冷たく感じたりします。この場合の特徴的な症状は、しばらく歩いていると足がしびれたり、痛んだり、あるいはふくらはぎが突っ張り出して歩けなくなってしまいます。そしてしばらく休んでいると楽になってまた歩けるようになり、また、しばらく歩くと痛くなってということを繰り返します。
痺れ
手指のしびれ
手や指にしびれがある場合は、医療機関では手から頭(脳)までの神経回路のどの部分で神経が圧迫されているかを調べます。神経は頭から首の骨の中、さらに鎖骨の下を通り、腕、肘、手首、指先へとつながっています。手や指にしびれがあるのは、このどこかの部分が圧迫されているからですが、特に圧迫されやすいのは、次の4箇所です。
(1)首の骨の周囲
変形性頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアにより、首の骨が変形したり、軟骨が出っ張ったりして、それにより神経が圧迫され、手がしびれることがある。
(2)鎖骨の下で神経が圧迫されている場合
胸郭出口症候群と呼ばれるもので、なで肩の女性に起こりやすい。 (脊髄から出て手や腕の方に行く神経や血管は、首から手の間で肩の部分で、肋骨のうちの一番上にある第一肋骨と鎖骨との間に出来た隙間を通る。この隙間を胸郭出口というが、なで肩や肩の下がっている人ではこの隙間が狭くなっており、そのため神経や血管が圧迫され、その結果、手や腕の痛みやしびれ、肩こりなどが起こってくる)
(3)肘の内側で神経が圧迫される場合
肘部管症候群と呼ばれる。手のしびれ、特に小指のしびれや痛み、筋肉が萎縮したり、筋力が落ちたりするという症状が見られる。
(4)手首の靱帯で神経が圧迫されて起きる手根管症候群
打撲などのケガがきっかけになったり、パソコンなどによる手の使いすぎで起こりやすい。また、出産前後や更年期など女性ホルモンのバランスが変化した時にもかかりやすくなる。
このほか、手のしびれを感じる場合に気をつけなければならないのは、脳梗塞などの中枢性の病気が隠れているケース。舌がもつれるような感じや、ロレツが回らないような感じがあれば、中枢性の麻痺の場合もある。
痺れ
「しびれ」は手(指)や足、首、背中、肩、顔、腰など体のあらゆる箇所に生じます。しびれは治療が必要な場合と心配のないものがあります。誰もが経験している長時間の正座で足がしびれるような場合は心配いりませんが、脳梗塞、脳卒中、高血圧、脂質異常症、糖尿病、心臓病、頚椎・脊髄・腰椎の病気などが引き金となって、しびれが生じている場合は医療機関での治療が必要になってきます。「温かくなれば治るから」とか「しばらく我慢すれば大丈夫」としびれは放置されがちですが、重大な病気が隠れていることもありますので、要注意。今回はしびれを特集しました。
足のしびれ
足のしびれは直接、神経が圧迫される『神経性』の場合と、血管が圧迫されて神経への血流が悪くなる『血管性』の場合の2つに分けられます。『神経性』の場合はその名の通り、神経のどこかに異常があり、これがしびれの症状を引き起こすということになります。神経性のしびれは、椎間板ヘルニアなどが原因で起こります。『血管性』のしびれの場合は、血管の障害により血流が悪くなった結果、症状が出てきます。血管が圧迫されて、神経への血流が悪くなると痛みやしびれが起きるのです。
足根管症候群による足のしびれ
足根管症候群とは、かかとや足の裏に通っている神経が圧迫されたり、損傷したりして足首やつま先が痛くなったりする状態。この神経は「後脛骨神経」といい、ふくらはぎからかかと近くを通り、足の裏へと走っています。このため、この神経が炎症を起こすと、足首やつま先に痛みやしびれが起きるというわけです。
椎間板ヘルニアでの足のしびれ
椎間板ヘルニアの症状としては「腰痛」が一般的ですが、腰から足にかけてのしびれもよく知られています。椎間板とは背骨の椎骨と椎骨の間の、クッションの役目を果たす軟骨のことです。ところが、ある程度の年齢になってきますと、誰でもこの椎間板が老化現象を起こしてきます。これがひどくなると、しばしば椎間板がうしろや横に飛び出してヘルニアを起こします。椎間板ヘルニアが神経を圧迫しますと、その結果として足がしびれたりするわけです。