巻き肩
巻き肩は「肩が内側に巻き込んだ状態になり、左右の肩を結ぶ“横のライン”が丸まっていること」を指す
巻き肩になると、肩の位置や向きが“本来あるべき状態”ではなくなるために肩まわりの血流が悪くなり、慢性的な肩コリ・首コリに悩まされる人が少なくありません。
慢性的な肩コリ・首コリに悩まされる可能性がある「巻き肩」慢性的な肩コリ・首コリに悩まされる可能性がある「巻き肩」
また、巻き肩が悪化すると、本来より前の位置に飛び出た肩の筋肉によって、胸や肋骨の筋肉・骨などが圧迫されるため、肺への負荷が大きくなり、最悪の場合は呼吸障害になってしまう危険性も。
では、巻き肩は何が原因で起こるのでしょうか?
巻き肩の原因は、現代人には避けて通れないもの?
巻き肩の原因で多いのは、長時間のパソコン作業や、横向きで寝ることなどです。
巻き肩の原因の中で多いのは、長時間のパソコン作業巻き肩の原因の中で多いのは、長時間のパソコン作業
横向きで寝ることも巻き肩の原因横向きで寝ることも巻き肩の原因
横向きで寝ると、上半身の体重が集中的に肩へかかります。そのため、無意識に楽な姿勢を取ろうとして「肩を前に突き出して寝る癖」がつき、結果として巻き肩になってしまうケースがあるので注意しましょう。
筋肉
筋肉が出す物質・IL-6が メタボによる病気を撃退!?
筋肉が出す物質を「マイオカイン」と名付けたのは、デンマーク・コペンハーゲン大学のベンテ・ペダーセン博士です。博士は、運動した時に筋肉から「IL-6」という物質が大量に放出されるという研究を発表しました。
ペダーセン博士は、運動しているときに筋肉から出るIL-6が、現代社会で急増する「メタボリックシンドローム」が招くさまざまな病気の改善に有効な働きをする可能性があると考えています。メタボリックシンドロームとは、内臓型肥満に加え、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の3つのうち2つ以上が組み合わさった症状のことを言います。じつは「メタボ」の人の体内では、免疫細胞の暴走が引き起こされており、それが全身の血管を傷つけて、突然死にもつながる心筋梗塞・脳梗塞や、糖尿病などを招く危険性が高くなっています。(※「免疫の暴走」については、記事:"免疫の暴走"が招くメタボの「本当の恐ろしさ」で、詳しく紹介しています。)
博士は、適切な運動をすることによって筋肉からIL-6を放出させれば、それが免疫の暴走を抑える働きをする、と考えています。実験で被験者に、運動をしたあとに放出されるのと同じくらいの量のIL-6を注射してみました。すると、メタボの人の体内で免疫の暴走を引き起こす働きをしている物質の量が、半分以下に減ったのです。
この研究成果が確かであるかどうかは、まだ今後の科学的検証を待たなくてはなりません。ペダーセン博士は「運動」をすることには、単に「エネルギーを消費する」という意味だけでなく、「体内の免疫の異常を鎮める物質を放出させる」という、もう一つの大切な意味が秘められている可能性があると考えているのです。
筋肉
「筋肉が付きすぎると、排水溝から水が抜けていくように、どんどん体内のエネルギーを浪費してしまいます。そこで筋肉の細胞は、ミオスタチンを放出することで、筋肉が必要以上に増え過ぎるのを抑えているのです。それを発見したときは本当に驚きました」トレーニングすると、筋肉の細胞は成長しますが、同時にミオスタチンを放出して、増えすぎを抑えます。筋肉をムキムキに発達させるには、このミオスタチンによるブレーキに打ち勝つほどに、頑張ってトレーニングをする必要があるのです。努力して鍛えても、いつの間にか筋肉が減ってしまうのはミオスタチンが働いているからなのです。筋肉の細胞から放出され、筋肉の増えすぎを
筋肉の細胞から放出される「ミオスタチン」(CG)
(背景は筋肉の細胞)
次々と発見される「筋肉が出す物質」と その働き2000年代に入ると、ミオスタチン以外にも筋肉が出す物質が次々に見つかり、「マイオカイン」という総称がつけられました。いま、このマイオカインがとてもホットな研究分野になっています。2016年だけでマイオカインに関する論文が100本以上も発表されました。その中には、マイオカインの働きで「がんの増殖が抑えられた」、「うつ症状の改善に効果があらわれた」など、一見筋肉とは無関係に思える不思議な作用についての報告もあります。アメリカ国立老化研究所などのチームが2016年に発表したのは、「筋肉の働きで記憶力が高まる可能性がある」という論文です。運動をした時に筋肉の細胞から出ると考えられる「カテプシンB」という物質が増えた人ほど、記憶力テストの成績が向上。研究チームは、カテプシンBが、記憶を司る脳の「海馬」という部分の神経細胞を増やす働きをした可能性がある、と考えています。
筋肉
最近は筋トレがブームです。健康維持のために始めている人も多いのではないでしょうか。気づけばいつの間にか増えている「脂肪」とは逆に、「筋肉」はたとえ努力して鍛えても、いつの間にか減ってしまいます。筋肉がすぐに減ってしまうのは、いったいどうしてなのでしょう。その謎の解明をきっかけに、筋肉に秘められた驚きの"スーパー健康パワー"に、いま世界の研究者が注目しています。
「筋肉だらけの牛」が教えてくれた 筋肉の意外な能力ベルギーのナミュール州という地方では、伝統的に、ある「特別な家畜」が飼われています。それは「ベルジャンブルー」という品種の食肉牛。普通の牛に比べ、筋肉が2倍も付いています。1頭の牛からたくさんの肉がとれるだけでなく、脂身が少ない赤身の肉として、ヨーロッパの人から好まれているそうです。それにしても、全身すごい筋肉!どんなにハードなトレーニングをしているのか、と思ったら、なんとこの牛、生まれつき筋肉がどんどん発達する特殊な性質を持っているというのです。驚くほど全身マッチョな牛 「ベルジャンブルー」なぜ、こんなにも筋肉が発達するのか。その謎を解き明かしたのが、アメリカ・ジョンズホプキンス大学でマウスの研究をしているセイジン・リー博士です。博士は、この牛と同じように、生まれつきマッチョな「筋肉マウス」を発見しました。詳しく調べると、ある遺伝子に異常が生じて、「ミオスタチン」という物質が体内に存在していないことが分かりました。「マッチョ牛」を詳しく調べると、同じく「ミオスタチンを作る遺伝子」が生まれつき働いていないことが分かりました。研究の結果、「ミオスタチン」は筋肉の細胞から放出されていることがわかりました。そして、周囲の筋肉の細胞に「もうこれ以上成長するな」という"メッセージ"を伝えていることが突き止められたのです。
腰痛
慢性腰痛が起こるメカニズム腰の痛みが3か月以上続く状態を、慢性腰痛といいます。慢性腰痛には腰に異常がないのに痛みが続くケースと、腰の異常が治ったのに痛みが続くケースの2タイプがあります。腰の痛みがよくなったり、悪くなったりするのを繰り返す場合も慢性腰痛に含みます。痛みの程度はさまざまで、なかには激痛を訴える場合もあります。慢性腰痛は、小学生から高齢者まで幅広い年代に見られます。なかでも30~50歳代の働き盛りに多く、都会の事務職に多いことがわかっています。その理由として考えられるのがストレスです。痛みを和らげるしくみストレス うつ 不安を長期間感じると
慢性腰痛は、腰の痛みを和らげる仕組みと関係があります。腰から痛みの信号が脳に伝わると、脳からドパミンという神経伝達物質が放出されます。すると、脳内でμオピオイドという物質が多量に放出されます。その結果、神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが放出され、痛みの信号を脳に伝える経路が遮断されます。この仕組みによって、腰痛などの痛みが気にならなくなったり、我慢できたりするようになります。しかし、ストレス、うつ、不安などを長期間感じていると、脳でドパミンが放出されにくくなって、腰痛が長引いたり、わずかな痛みでも強く感じたりするようになります。慢性腰痛 悪循環の例
慢性腰痛の問題点は、悪循環が起きやすいということです。たとえば、精神的要因の有無をはっきりさせないまま腰痛の治療を繰り返していると、効果が出ないため治療への不満が増して、ストレスや不安が増えるという悪循環が起こります。
腰痛
危険ではない腰痛の対処法
病院に行くほどではない腰痛の場合は、次のような対策をとると効果が期待できます。
適度な運動を行う
ウォーキングのような適度な有酸素運動を毎日行うと、脳の血流がアップし、脳の中で痛みを抑える物質が増えてきます。
腰痛改善!インナーマッスルを鍛えて腰に良い姿勢を維持腰痛を改善する体操~腰痛予防・慢性腰痛・ぎっくり腰・腰椎椎間板ヘルニア
できる範囲で通常の生活を続ける
普段どおり仕事や家事をして、できる範囲でいつもどおりの生活を続けます。
ストレス対策を行う
自分が楽しいと感じることを行うと、脳の血流がよくなって痛みを抑える物質が増え、痛みを抑えることができます。たとえば好きな音楽を聴いたり、好きな映画を観たり、アロマオイルなど好きな香りを楽しんだり、生活の中にリラックスできる時間をつくることがおすすめです。
腰痛
的確な診断を得るために
症状を伝える5つのコツ
より的確な診断を得るためには、問診のときに、自分の症状をきちんと医師に伝えることが大切です。
症状をうまく伝える5つのコツ
「いつから」
いつから痛むのか、日ごとに痛みは強くなっているのか、あるいは同じ痛みが続いているのかなどを伝えます。
「どこが」
腰のどのあたりが痛むのか、腰だけでなく背骨やお尻、脚も痛むのかなどを伝えます。
「どんなふうに」
激しい痛みが続くのか、それとも弱い痛みなのか、痛みの強さはどの程度か伝えてください。
「どんなときに」
腰を曲げると痛い、歩くと痛い、安静にしていても痛いなど、痛みが誘発する動作を伝えてください。
「その他の症状」
例えば、脚やお尻のしびれ、麻痺(まひ)、発熱、尿や便がでにくいなど、腰痛とともに他の症状がある場合は、それも必ず伝えてください。
腰痛
腰痛の危険度チェック
多くの腰痛は、急いで受診する必要のないものですが、なかには放置すると危険な腰痛もあるので、下記にあるチェック表で腰痛の危険度を調べてみましょう。
腰痛の危険度チェック
【腰痛 危険度チェック】
(1)じっとしていても痛む
(2)背中が曲がってきた
(3)お尻や脚が痛む・しびれる
(4)脚のしびれにより長く歩けない
(5)体を動かしたときだけ 腰だけ痛む
「腰痛 危険度チェック」表の(1)~(5)のうち、(1)の「じっとしていても痛む」に当てはまる場合、重い脊椎の病気や内臓の病気の可能性が考えられるため、危険度は大です。
(2)の「背中が曲がってきた」に当てはまる場合、骨粗しょう症によって背骨がつぶれる圧迫骨折が起きている可能性があります。骨粗しょう症は、骨の中がスカスカになる病気で、閉経後の女性に多く起こります。50歳過ぎから背中が曲がってきたら要注意です。
(3)の「お尻や脚が痛む、あるいはしびれる」、(4)の「脚のしびれにより長く歩けない」いずれか1つでも当てはまる場合、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなど、腰の神経の障害が原因で症状が起こっている可能性があります。これらの病気は進行することがあるため要注意です。
(1)~(4)の項目に1つでも当てはまる場合は、一度医療機関を受診することがすすめられます。
(5)の「体を動かしたときだけ腰だけ痛む」のみ当てはまる場合、腰の椎間関節や筋肉などが原因の腰痛である可能性が高く、その場合、当面の危険はありません。ほとんどの腰痛は1か月以内に痛みがなくなる心配のないものです。ただし、症状が悪化した場合や、3か月以上症状が続く慢性腰痛の場合は、整形外科を受診することがすすめられます。
腰痛
腰痛の原因
日本整形外科学会の調査によると、日本で腰痛の人は約3000万人いると推計されています。
一口に腰痛といっても、その原因はさまざまあります。腰痛を原因別に分類すると、腰部脊柱管狭窄(さく)や椎間板ヘルニアなど腰の神経の障害によるもの、内臓の病気、重い脊椎の病気、などがあります。しかし原因を特定できる腰痛は全体の約15%です。残りの約85%は原因を特定しにくい非特異的腰痛で、一般に腰痛症や坐骨神経痛などと診断されます。
腰痛の分類
原因を特定できる腰痛のうち、腰痛全体の約10%を占めるのが、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなど腰の神経の障害により起こるものです。
また全体の約2%は、内臓の病気による腰痛だと考えられます。内臓からの神経の多くが腰に伸びているため、慢性すい炎、腎う腎炎、尿路結石、慢性の十二指腸潰瘍、子宮内膜症などで腰痛が起こることがあります。
腰痛を起こす重い脊椎の病気には、化膿(のう)性脊椎炎、がんの骨への転移、背骨の圧迫骨折などがあり、腰痛全体の約1%の患者さんがいると考えられています。
腰痛全体の85%を占める非特異的腰痛の多くは、腰の椎間関節や筋肉などに原因があるといわれていますが、原因を特定するには、腰のある箇所の神経をまひさせて痛みが取れるかどうかを確認する検査を何か所も行う必要があるため、原因の特定までは行わず、痛みをとる治療が優先されます。
手の痛みと痺れ
手は27個の骨からできています。このたくさんの手の骨を動かすことができるのは、筋肉と骨を結び付ける「腱(けん)」があるからです。
前腕の筋肉からのびている腱は、手のひら側と手の甲側に手首から指先まで通っていて、骨と筋肉を結びつけています。この腱が引っ張られることで骨・関節が動きます。腱が骨から離れないように、「腱鞘(けんしょう)」という鞘のような組織で覆われています。
さらに、「神経」が、手首からそれぞれの指先へと枝分かれして伸びています。
本当は怖い手指の痛み・しびれ 命に関わる病気の可能性も
複雑で精密な動きが可能な手指。この手指に「痛み」や「しびれ」が起こる病気はたくさんあります。
なかには、「しびれ」が命に関わる病気のサインであったりすることもあるので、特徴的な症状を知っておきましょう。手の病気だと思ったら、実は脳や全身の病気であることもめずらしくはありません。
手指の痛み・しびれといった症状について
手指に痛みやしびれが起こる病気はたくさんあります。なかには、命に関わる病気もあるので、痛みやしびれ以外にどのような症状があるのかを見極めることが大切です。
見極めるポイントは次の3つです。
手指にしびれと痛みがある
指を伸ばそうとすると「カクン」となって、痛みと腫れがある
指をまっすぐ伸ばせず、痛みがある
「手足のしびれの原因、セルフチェック」はこちら指の痛みや腫れは「腱鞘炎」かも小指以外のしびれ、痛みは「手根管症候群」かも小指と薬指だけのしびれは「肘(ちゅう)部管症候群」かもひじから手の小指側の痛み・しびれは「胸郭出口症候群」かも指の関節が変形。膨らみが硬いなら「変形性指関節症」かも指の関節が変形。膨らみが軟らかいなら「関節リウマチ」かも