4-7-8呼吸法
腹式呼吸法
普段私たちが何気なく行っている呼吸は、肋間(ろっかん)筋を使った胸式呼吸である場合が多く、呼気が短く早い呼吸になりがちです。腹式呼吸法は、正確には胸腹式呼吸法と呼ばれ、横隔膜主体の呼吸法です。胸式呼吸と比べると、換気量の増加から呼気がゆっくりとなりやすく、副交感神経への刺激となります。
リハビリで指導する場合には、以下のように行ってみましょう
腹部が膨らむことを確認しながら鼻から吸い込む(肩が上がらないように注意)
腹部を凹ませながら口からゆっくりと吐く
この2動作を繰り返しおこないます。息を吐くときは吸うときよりも長くなるように意識し、しっかりと肺の空気を吐き切ることが大切です。どうしても呼気が早くなってしまう場合は、口先をすぼめるか、ストローをくわえて息を吐くといった工夫をとりいれてみましょう。また、鼻から息を吐こうとすると、腹部の運動へつながりづらいため、注意が必要です。腹式呼吸によるその他の作用として、腹筋が収縮することで、相対する背筋のリラクセーション効果も期待できます(相反抑制効果)。
4-7-8呼吸法
開腹手術などの影響で腹部へ圧をかけるのが困難な場合、4-7-8呼吸法を活用してみましょう。
やり方は、以下のとおりです。
4秒かけて鼻から息を吸う
7秒間息を止める
8秒かけて口からゆっくりと吐き出す
この動作を1セットとして3~4セットおこないます。秒数は息が苦しくならない範囲で、おおよそでかまいません。腹式呼吸法と比べ、吸気・呼気に目安の秒数が設定されているため、患者さんへの指導がおこないやすいのも、4-7-8呼吸法のメリットです。