自律神経と筋肉
8、運動神経線維
脊髄から骨格筋に至る運動神経線維には直径の太いアルファ(α)線維と細いガンマ(γ)線維がある(γ運動ニューロンはα運動ニューロンと混在している)。
α線維は筋線維(錘外筋線維)を支配して実際の筋収縮に関与する。
γ線維は筋紡錘の錘内筋線維にシナプスを持ち筋紡錘を支配し、筋紡錘自体の筋線維(錘内筋線維)を調節している。
筋長の自動制御では、α運動ニューロンだけが興奮して筋収縮が起こると筋の短縮中に筋紡錘が無負荷となり、筋長検出器としての機能を失うことになる。そのためγ運動ニューロンも同時に興奮して筋線維の収縮に平行して筋紡錘の錘内筋線維を収縮させるので、筋紡錘のたるみは直ちに引締められ、筋の伸張検出器としての機能を回復することができる。
このように、小脳をその指令の拠点として働くγ運動ニューロンは筋長の変化に対応する役割を果たし、筋紡錘の伸張検知器としての感度を高めているわけである。
γ運動ニューロンが筋紡錘のたるみを伸長させるイメージ図
γ運動ニューロンが筋紡錘のたるみを伸長させるイメージ図
左図はγ運動ニューロンが筋紡錘のたるみを伸長させるイメージ図です。
主筋肉だけが中枢神経からの指令で収縮すると、筋紡錘内の線維がたるみ張力を検出できななるため、主筋肉と、筋紡錘は同時に収縮するのです。