骨、筋肉量は40代でピークアウトする
ロコモは、静かに長い時間をかけて骨、筋肉、関節などをむしばんでいく。それはどのようなメカニズムなのか。大江氏はこう解説する。
「骨や筋肉の量はおよそ20~30代でピークを迎えます。特に骨は、成長ホルモンが出る成長期に強くなり、男女ともに20歳ごろに骨量の最大値(ピークボーンマス)を迎える。そこから20代、30代、40代前半ぐらいまで平坦に推移し、女性の場合は40代後半から、男性の場合は60歳ぐらいから下降線をたどります」
「骨を強く保つためには、ピークボーンマスをできるだけ高くし、平坦な時期を長く保って、下降のカーブを緩やかにすることが必要です。適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を取ることで、それが可能になることが最近の研究でわかってきました。若いときからロコモを意識して対策をするかしないかで、将来ロコモになるリスク度は大きく異なります。特に女性は、男性と比較するとピークボーンマスが低いので、衰えが早くなってしまう。そのため、骨や筋肉量がピークを越える40代から対策を始めることが不可欠です」