働き盛りの体力低下は重大な将来リスク
働き盛りの体力低下は重大な将来リスク
10月8日の体育の日、スポーツ庁は「2017年度体力・運動能力調査」を公表した。65歳から79歳では男女ともに体力の向上が続いているのに対し、30~40代では男女ともに体力が低下傾向にあり、特に20~40代で「週1日以上運動する」と答えた女性の比率は、20年前と比較して10ポイント下がっているというものだった。働き盛りの年代に体力低下の兆候があることは、日本の社会にとって将来の大きな不安材料だろう。忙しくても日常生活に運動習慣を取り入れなければ、「生涯現役」は危うい。大江氏に、働き盛りの年代から日常生活で手軽に取り入れられるロコモ対策を聞いてみた。
かじやますみこ『人生100年、自分の足で歩く 寝たきりにならない方法教えます』(プレジデント社)では、大江隆史氏によるロコモとロコモ対策のさらに詳しい解説が読める。
「日本整形外科学会では、ロコモを防ぐためのトレーニングとして、バランス能力を養う片脚立ち(左右1分間ずつ1日3回)と、下肢の筋力をつけるスクワット(1回5~6回を1日3回)の2つを推奨しています。それだけでは物足りない方には、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う、歩くスピードを上げるなど、通勤時間を運動時間に変えることも効果があります」「運動習慣に加えて毎日の栄養摂取も大切で、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を毎日3回の食事から取ることが大切です。中でも、筋肉を増やすためにはタンパク質、骨を強くするためにはカルシウムだけでなく、タンパク質、ビタミンD(サケ、干しシイタケ)とビタミンK(納豆、青菜)が必要です。ビタミンDは日光を浴びることで体内でもつくられるので、天気の良い日は外に出て散歩や運動を心がけてください」毎日の生活の中で、ほんの少しロコモを意識し日常の生活習慣にすることが将来の寝たきり防止につながると言えそうだ。