五十肩は何故起こる?
肩こりは前述したような理由で起こりますが、ある日、特に理由もなく肩が痛み出し、腕が挙げられなくなることがあります。そう、「五十肩」です。これは、肩関節の周囲のさまざまな組織が炎症を起こすことで発症する、いわば肩の“老化現象”。40~60代、特に50代の女性に多くみられます。
健常者は肩甲骨の動きで60度、肩関節の動きで120度まで腕を挙げることができますが、五十肩になってしまうと、肩関節の動きが大幅に妨げられ、肩甲骨による60度分しか腕が挙がらなくなってしまいます。
発症初期には、肩を動かしたりひねったりすると、激痛が起こり、ひどい場合は大人しくしていても痛みが出て眠れない……なんてことも。こうした場合、無理な動作を控え、安静を保つのが大事。痛みを抑えるために、湿布薬、消炎鎮痛剤、ステロイド剤の関節内注入を始めとする薬物療法などで対処します。痛みが激しい時は冷湿布などで冷やしますが、痛みが和らいできたら温熱療法を行うのが効果的です。
痛みは数カ月で治まりますが、今度は肩の動きが悪くなり、洗髪や洋服の着脱などの日常動作に支障をきたすようになります。慢性期には、まるで肩が凍ったように動きにくくなるので、積極的にリハビリテーションを行いましょう。