腰痛を招く病気
「腰痛を起こす代表的な病気」
腰椎椎間板ヘルニア
椎間板は、背骨を構成しているもののひとつで、衝撃を吸収するクッション材の役割をしている。椎間板の中央にはゼリー状の髄核があり、その部分が外に飛び出して神経を圧迫することにより椎間板ヘルニアの症状が起こる。腰痛の他に、お尻や太もも、足の痛み、しびれを感じて歩行が難しくなる場合もある。
腰部脊柱管狭窄症
背骨の脊髄神経が通る脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで、歩行時に足が痛みやしびれなどの症状が起こる。少し休むと楽になるが、また同じ症状が起こり、休んだり歩いたりを繰り返すようになる。重症になると排尿障害が起こることもある。加齢に伴う背骨の変形や椎間板の膨隆が原因であることも多い。
脊椎分離症・すべり症
腰椎を構成している椎弓の一部が切れて分離した状態が分離症。特に4番目、5番目の腰椎にみられやすく、構造的に不安定になると分離した部分より前にある椎骨が前に滑ることがあり、これをすべり症という。すべり症により神経が刺激されると、下肢にしびれや痛みなどの症状もみられることがある。分離症はスポーツをしている子供にみられることも多い。
変形性脊椎症
背骨は椎骨と呼ばれる骨が、24個積み重なっており、そのうちの下から5個までが腰椎。その間にはクッション材の役割のある椎間板がある。変形性脊椎症では、主に加齢に伴って、背骨の関節や椎骨に骨棘というトゲのような骨が増殖し、進行すると神経を刺激することもあり、下肢のしびれや痛みを起こすことがある。
腰椎椎間関節症
椎間関節に痛みが起こる病気。原因は腰椎を過剰に曲げたり反ったりすることで椎間関節を痛めた場合と、日常生活での悪い姿勢により椎間関節に負担がかかるために痛めてしまう場合がある。特に体重増加で腰椎が後ろに反っている人や普段の姿勢で腰が反っている人は椎間関節に負担がかかりやすく、腰痛の原因となりやすい。急性に椎間関節を捻って炎症を起こせば「ぎっくり腰」となる。