精神的ストレスが腰痛を招く
安静よりも、適度な運動が効果的
腰が痛いのなら、じっと安静にしていたほうがいい。それが、世間一般の常識ではないだろうか。しかし、最新の臨床研究では、じっと寝ていても効果がないばかりか、むしろ痛みを強く感じたり、長引かせてしまうことがわかってきた。
腰痛があっても安静にせず、できるだけ普段の生活に近い形で過ごしたほうがよい。「痛い場合には、サポーターやコルセットの助けを借りてでも、動くほうがいいんです。どうしても動けないときに数日くらい休むのは、しかたないでしょう。でも、できるだけ早く前の生活に戻る努力をするべきです。そのほうが、慢性化して長期間休職したり離職したりという事態を防げます」と宮本氏。
ただ、コルセットやサポーターに頼りすぎると、体幹の筋力が落ちてしまう。器具をどう使うかは、医師と相談して決めよう。
安静がよくないのなら、積極的に動かす「運動療法」はどうだろう。さまざまな研究で、慢性腰痛では運動療法に高い効果があることが、はっきりしてきた。もっとも、どのような運動が効果的かは研究途上で、まだよくわかっていない。
宮本氏の考えでは、強い運動をいきなりやるのではなく、運動習慣をつけることが大切だという。「週に2、3回、腰周りの筋肉のストレッチと筋力トレーニングをやるといいでしょう。少し汗をかく程度に3、40分やるのがお薦めです」とのこと。