精神的ストレスが腰痛を招く
使える薬が増えている 10年くらい前までは、腰痛の薬物治療というと「非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)」くらいだった。現在は症状、原因、病歴などにあわせて、多様な選択ができるようになっている。 腰痛治療で最初に使われるのは、NSAIDsか「アセトアミノフェン」だ。NSAIDsというと聞き慣れないが、「ロキソニン」や「ボルタレン」という商品名を聞いたことはあるだろう。アセトアミノフェンも「カロナール」などの商品名で知られている。どちらも古くからある鎮痛薬だ。 NSAIDsは鎮痛効果が強いが、副作用がやや強い。アセトアミノフェンは副作用が少ないが鎮痛効果がやや弱い。アセトアミノフェンには、値段が非常に安いというメリットもある。どちらを使うかは医師の考えによるが、日本ではNSAIDs、欧米ではアセトアミノフェンを最初に使うことが多い。 NSAIDsには強い鎮痛作用があるが、消化管の粘膜障害という副作用がある。薬の特性として、痛みを感じにくくすると同時に、胃粘膜を保護する機能を抑えてしまうのだ。長期間使うと非常に難治性の胃潰瘍ができたりするので、注意する必要がある。