下半身
体力低下のものさし、脚筋力の測定
運動機能をつかさどる骨、関節、筋肉は、年をとるにしたがってさまざまな老化現象を引き起こし、日常生活に支障をきたしていくものです。そんな加齢の影響が不可避な身体能力に中でも、特に歩行能力の低下に直結する脚筋力は重要な意味を持ちます。
onyourmarkのユーザーには、極端すぎる例かも知れませんが、デスクワークがメインの仕事につき、食生活にたいして気を配ることなく、運動不足の生活を送るとします。
日々身体を動かすことがないので、脚筋力は徐々に低下、そして不活動が原因で肥満も進み、脚筋力低下と反比例するように体重は増えていくばかり……。
その結果、体重を支えることが困難になるため、ますます階段を昇ることが億劫になってエレベーターを多用し、外出して歩き回ることを避けるような生活スタイルに。
脚筋力は加速度的に退化し、ある日、ちょっとバランスを崩しただけで体が支えられなくて転倒して大ケガをしてしまう、なんていう負のスパイラルも、あり得ない話ではないのです。
脚筋力とは下半身の総合力である
脚筋力というとたいていは「太ももの筋肉=大腿四頭筋」という認識を持たれがちですが、そこに大きな誤解があります。
大腿四頭筋はあくまで「膝を伸ばす」ための筋肉。人はその筋肉だけで立っているわけではないのです。
以下に椅子から片足で立ち上がる時に必要な筋肉をあげると、
曲がっている膝を伸ばす → 大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)
曲がっている股関節を伸ばす → 大臀筋 ハムストリングス
膝が外側にぐらつかないように固定する → 内転筋
膝が内側にぐらつかないように固定する → 中臀筋 大腿筋膜張筋
これ以外にも、まだまだ複数の筋肉が関係しています。
これらの筋肉を総動員して、より安定的に力を発揮することが脚筋力には重要です。
つまり、ただ単に太ももの筋力が強いというだけでなく、下半身が総合力を発揮して、グラつかず、安定した状態で筋力を発揮できることが大切であり、特にスポーツの動作を行う際にはこの総合力という部分が重要になるのです。
つまり、大腿四頭筋だけをトレーニングしているだけでは不十分、スポーツ動作を高めるためには、上記の筋肉を総合的に鍛えるトレーニングが有効になります。