肩関節
肩の痛みの原因はさまざま
肩の痛み...早めの対策と予防が大切 人間の関節のなかで、もっとも大きく動くのが肩の関節です。腕を伸ばしてゆっくり回してみるとわかるように、ほとんど全方向に動くようにできています。こうした動きを支えるために、肩には3つの関節と、腱板(小さな筋肉群と腱の集合)、滑液包(動きをスムーズにする液の袋)、靭帯、筋肉が複雑に組み合わさっています。
ところが中高年になるにつれ、肩を構成するいずれの部分も、強度が少しずつ低下していきます。それに加えて、肩をあまり動かさない生活をしていると、柔軟性がなくなり、血行も悪くなり、傷つきやすくなります。
その結果、ちょっとしたことで肩関節周辺のどこかに損傷が生じ、炎症によって痛みを感じるようになります。それが中高年の肩の痛みの代表ともいえる、四十肩・五十肩です(※1)。
ただし、肩の痛みだけで四十肩・五十肩と決めつけるわけにはいきません。肩の痛みの原因となる病気や障害は、ほかにもたくさんあるからです。たとえば、腱板に石灰分がたまるもの、スポーツの負担によるもの、あるいは頸椎の変性や、狭心症・心筋梗塞の前兆という例もあります。
こうした病気などは、いずれも放置していると治りにくくなったり、重大な発作につながりかねません。肩の痛みを軽く考えず、その原因と解消法、予防法について知っておきましょう。
(※1)四十肩と五十肩は同じものです。中年期に起こりやすいものの、実際には30~70歳代くらいまで幅広い年代層にみられます。