腰痛からの股関節痛
股関節は、太ももの骨の上端の骨頭が骨盤のくぼみにはまり込んでいて、前後、左右、回したり自由自在に動かすことができます。
関節の表面には厚さ2~4mm程度の関節軟骨があり、健康な軟骨は股関節にかかる体重を吸収しながら、非常に滑らかに動きます。
この関節軟骨がすり減り、骨も変形してしまった状態が「変形性股関節症」です。
また、大腿骨は骨頭のおよそ2/3が骨盤のくぼみに入り込んでいるので、安定して体重を支えることができているのですが、このくぼみが浅い状態を「臼蓋形成不全」と言います。さて、股関節の働きや形がイメージ出来たところで、股関節痛が起きる仕組みをお話します。
股関節の周りには多くの筋肉がついています。特に股関節の前側には腰痛の原因となっている筋肉と同じ筋肉が通っており、それ以外にも骨盤の横から後ろにかけても多くの筋肉がついています。
股関節の関節軟骨には普段から体重や股関節を動かした際に負荷がかかっていますが、軟骨が潰れるほどの負荷がかかることはなく、自由に動かすことができます。正常な状態であれば、軟骨のお陰で太ももの骨の頭と骨盤のくぼみ間に遊びがあります。
ところが、股関節周りの筋肉がロックすると、この状態が一変します。ロックした筋肉の特徴を思い出してみてください。ロックした筋肉は「太く・短く・硬い」状態にあります。本来であれば伸び縮みできる筋肉がロックしてしまうと、太ももの骨の頭を骨盤のくぼみに押し付ける力が生じてしまいます。