膝の痛み改善運動
まず、いすに腰掛けて片方の脚を足首を立てたまま水平に伸ばし、5~10秒止めた後に下ろす。次に膝を伸ばして床に座り、膝の下にタオルや枕を置く。置いたタオルなどを膝裏で床に押しつけ、5~10秒そのまま保って、力を抜く。この2つの運動で、歩くときの蹴り出しを担う太ももの筋肉を鍛える。加齢で特に弱りやすいところだ。
横向きに寝て片方の脚を20センチ上げ、5秒止めてゆっくり下ろす。この運動で太ももの外側の筋肉を鍛えることで、O脚になるのを防ぐ。O脚は膝に負担をかけるため、改善しておきたい。
膝や股関節、足首など脚全体を鍛えるにはスクワットがよい。肩幅より少し広めに脚を開いて立ち、いすに腰掛けるようにお尻をゆっくり下ろす。あまり深くしすぎず、膝の角度が90度を超えないようにする。
筋トレは息を止めずにやる。回数は筋力や痛みに応じて調整する。「痛みを感じたら無理をしない。自分に合う運動法を選ぶとよい」と岩木部長は助言する。毎日続けることが大切で、筋力が増せば、膝関節への負荷を減らせる。
膝の動きをよくするストレッチも有効だ。歩行や立ち上がる際に、関節にかかる負荷が軽い動き方になる。床に膝を伸ばして座り、かかとの下にタオルなどを置く。かかとをゆっくり滑らせて膝をできるだけ曲げ、再びゆっくり伸ばす。湯船でやってもよい。
病気が進むと膝の裏側がこわばり、膝を伸ばしにくくなる。そうなったら脚を伸ばして座り、5秒ほど膝に力を入れて伸ばすことで、かたさが取れる。つま先は伸ばしても反らしてもよい。
兵庫医科大学の中山寛助教は「膝痛で体を動かさないと筋力が下がって関節が動きにくくなり、立ったり歩いたりする能力が落ちるロコモティブシンドローム(ロコモ)になりやすい」と警鐘を鳴らす。ロコモが進むと介護が必要になるので、日ごろの運動で予防に努めたい。