健康を気にする人の油の選び方
ほかに摂取したい油と気をつけたい油は?日本農林規格(JAS)は大豆や菜種(キャノーラ)、ごま、トウモロコシ、紅花(サフラワー)、綿実、ひまわり、米ぬか、ぶどうを原材料としたサラダ油の規格を設けています。また、2種類以上使って混合したものを、調合サラダ油と定めています。このサラダ油に多く含まれているのがリノール酸です。リノール酸は不飽和脂肪酸で、血中コレステロールを減らす作用があるといわれていますが、摂取し過ぎるとアレルギーの原因になることがあるとされています。そして、それ以上に問題なのが「酸化」の面です。
揚げ物などに使用されるサラダ油は、長時間続けて加熱されています。そのため、外食で揚げ物ばかりを食べている場合などに不安な点があります。酸化したリノール酸を大量に摂取すると、脳卒中や心筋梗塞、がんのリスク要因になるという報告があるからです。また、リノール酸が加熱されると、「ヒドロキシノネナール」という物質を産生してしまうことがあるといいます。ヒドロキシノネナールは脳に悪影響を与え、認知症を誘発する原因の一つであるという説もあるのです。オリーブオイルはヘルシーな油として既に定評があります。その理由は、血中コレステロールを下げる作用があるオレイン酸が70%前後含まれているからです※。また、抗酸化作用を持つ天然のフェノール類も含まれています。ただ、オリーブオイルで気をつけなければならないのが、品質です。同じエキストラバージンオイルであっても、私たちに品質の良しあしを見極めることは非常に難しい面があります。そこで、ほかの油に関しても共通していえることですが、信頼できる店で新しいものを選ぶことが基本です。