腸内フローラ
オリゴ糖にはさまざまな種類がありますが、代表的なものは次のとおりです。
フラクトオリゴ糖(ゴボウや玉ねぎ、にんにくなどに多い)
ガラクトオリゴ糖(牛乳や乳製品に多い)
大豆オリゴ糖(大豆や豆乳、味噌などに多い)
イソマルトオリゴ糖(はちみつなどに多い)
朝食を抜くより「せめてヨーグルトとバナナだけでも」摂ったほうがいいという意見を聞いたことはありませんか。バナナにはオリゴ糖が含まれているので、ヨーグルトと同時に摂ることが、1日のスタートを切るのに有効だからです。ただし、人によってはオリゴ糖を摂り過ぎるとお腹が緩くなることがあるので、注意しましょう。
そして、腸内フローラを改善するために必須なのが食物繊維です。なかでも水溶性食物繊維は善玉菌のえさになります。
では不溶性食物繊維は必要ないかというと、そんなことはありません。不溶性食物繊維は便のカサを増やして、排便をスムーズにしてくれます。便秘を防ぐことで食べ物のカスなどが腸に残らなくなり、その結果、悪玉菌を増やすことも防いでくれるのです。
最近、「便移植療法」という治療法が脚光を浴びています。腸内細菌の乱れが原因と考えられる難病患者の腸内に、健康な人の便を移植することで、腸内フローラを健康なものに戻そうというものです。もちろん便は適切に処理されたものを使用します。日本では潰瘍性大腸炎など限られた疾病に対して、家族または配偶者の便を使用するなど厳密な規定のもとで臨床研究が進められています。
アメリカではすでに治療法として確立されており、クロストリジウム-ディフィシル感染症に関しては非常に高い治療効果が表れていると報告されています。日本でも研究が進んで、新たな治療法として確立されることを期待したいものです。