マタニティ手の痛み
膠原病、腱鞘炎の可能性も
指の腫れに着目すると、混合性結合組織病・全身性エリテマトーデス・シェーグレン症候群などの膠原(こうげん)病の可能性が考えられます。30歳ぐらいの女性に多い病気です。関節炎を伴うことも多いです。発熱・皮疹(ひしん)・口腔(こうくう)内アフタ・乾燥症状などの症状を伴います。
一般に関節リウマチは妊娠中に改善傾向を示し、全身性エリテマトーデスなどは妊娠中に悪化傾向を来すといわれています。もちろん、すべてではありません。
中指の「くの字」になって真っすぐに伸びない点に着目すると、左中指屈筋腱鞘(くっきんけんしょう)炎の可能性もあります。手指を無理に伸ばそうとすると強い痛みを感じることが多いです。症状が強くなる前の起床時に、左手を開こうとすると左中指だけ伸ばしにくくて、右手を添えて伸ばそうとした時にバネが弾くように伸びたということがなかったでしょうか? バネ指の所見が以前あったなら腱鞘炎の可能性が高くなります。
! 妊娠とは直接関係ない症状か
これらのことから、手指・関節症状のみで発熱などの症状がない場合は、整形外科・リウマチ科を受診して必要に応じて腫れている関節の超音波検査を受けるとよいでしょう。発熱・発疹(ほっしん)などの症状を伴う場合には、膠原病科を受診して膠原病疾患の可能性を調べてもらうとよいと思います。
現在の関節症状と妊娠とには直接的な関係はないと思われます。治療に関しては、妊娠中ということもあり、診断を受けた医療機関でさらに相談されるとよいと思います。