寒暖差疲労
セルフケアは欠かせない
ここまで、寒暖差や骨格の歪み、冷え性による自律神経の乱れについて触れたが、自律神経の乱れにはストレスも大きな要因となる。同院には、中堅世代以降のビジネスパーソンが自律神経失調症と診断され受診するケースも多いという。実は、寒暖差疲労も気象病も他の病院では原因がわからず、自律神経失調症と診断されるケースがある。オフィスでは長時間パソコンを使用し、通勤時にはスマートフォンを手放せないことで骨格が歪み、仕事が忙しいために運動する時間を取ることができず、冷え性になりやすくなったり、オン・オフのスイッチをうまく入れられず不眠にと、負のスパイラルへ陥る患者さんもいるという。
「私は沖縄出身ですが、南国に行くとストレスがリセットされた経験がある人も多いと思います。でも、沖縄は強い直射日光に、湿気も高く、自律神経を乱す要因は揃っているのに、体調が良くなる。仕事から離れ、オン・オフのスイッチを入れることは非常に大切です。キャリアアップを目指すのであれば、体と心のメンテナンスは非常に重要です。心と体がついていかなければ挫折しますから。たとえば、1週間休みが取れるのであれば、しっかりと休んでくださいとアドバイスします。休まないで、会社に復帰できなくなれば元もこうもありません」
それではどのようなメンテナンスを行うと良いのだろうか。冷え性の場合、内臓の冷えには腹巻きや、極端に冷たい飲み物ばかりを飲むのは避け、常温か温かい飲み物を飲むようにするといいという。「首や肩は冷えやすいので気をつけたいですね。特に、首は皮下脂肪が少なく、血流が多いので温めることが大事です。夏であれば、38~40度の風呂に10~15分浸かり、体を温める。また、血流を良くするために、簡単な運動で良いので日常生活に取り入れましょう。たとえば、ウォーキングやヨガ、ラジオ体操など体が楽になると感じる運動が良いでしょう」
骨格の歪みについては正しい姿勢で座ることが大切だ。男性の場合、股をやや開き座りがちだが、土踏まずを首幅に合わせ立ち、そのままスクワットをするように腰を下ろすと、骨盤が立った正しい座る姿勢になるという。
キャリアアップのために健康を維持したいのであれば、セルフケアは欠かせないというところだろうか。