軽症の間にかぜと肺炎を見分ける3つのポイント
軽症の間にかぜと肺炎を見分ける3つのポイント
「かぜ」と「肺炎」を見分けるにはどうすればいいのか。病理医の市原真氏は「かぜではなく肺炎の場合は、症状が強く、そのレベルは経験のないものになる。そうした場合は医療機関を受診するべきだ」という――。
かぜは自力で勝てる感染症
かぜは、「わりと短い期間で、人間が自力で勝てる感染症」のことをさす。
一方で肺炎とは、「人間が勝つのに苦労する、あるいはときには負けてしまうこともあるため、医療が慎重に手助けしたほうがいい呼吸器系の感染症」をさす。
本質的には、「放っておいても治るものがかぜ」。これが全てといっていい。
医療者はひっくり返るかもしれない。なんだその雑な定義は、と。でも診断をうける患者側はこの定義で覚えておいてかまわない。
典型的なかぜは、「鼻水、鼻づまり、ノドの痛み、だるさなど、複数の場所に複数の、軽度の症状が出てしばらく続いたあとに、特になにもせずとも治る」。
ここにはふたつのポイントがある。(1複数の場所に軽い症状が出ていること、2時間経過と共に勝手に治ったということ。
1は治る前にある程度判断がつくが、2のほうは治るまでは判断できない、つまり時間経過を追って様子をみないとわからない判断基準であることに注意して欲しい。
たとえば、1をひっくり返してみよう。鼻水はないがノドだけがやけに痛い、あるいは鼻水も出ないしノドも痛くないが強いせきだけが出る場合(症状の場所が一箇所だけだが強い場合)は、実は「かぜっぽくない」のである。
例えば、ガンコなせきだけを症状とする場合、医者は(かぜにしては変だな、肺炎かもな……)と思って診療にあたる。
次に、2もひっくり返してみよう。何もしないで放置していたところ、熱が下がらず、せきが治まらず、全身のだるさがどんどん悪化した場合、つまりだんだん悪くなった場合は、「かぜっぽくない」。特に、せきと発熱が続くときには肺炎かもしれない。