腰痛を治したければ背もたれを使うな
背もたれを使わずイスに座ってみる
最後に、腰への負担を小さくする「姿勢」について説明しよう。
「冒頭で話したように、人間の体は4つの足で歩くつくりになっているため、腰に負担がかかるのは仕方がないことです。ベストな姿勢をとることで、負担を最小限にすることはできます。体に一本の芯が通ったようにまっすぐ立ち、さらに頭の頂点にフックをつけられ吊るされているようなイメージを持ってください。それが最も椎間板や椎間関節に加わる負荷が小さい“ニュートラルゾーン”です」(早稲田大学スポーツ科学学術院教授 金岡恒治氏)
ニュートラルゾーンとは、背骨がきれいなカーブを描き、おなかと背中の両方から腰椎を支えている状態。ゆっくりと骨盤を腹側と背中側に動かしてみて、腰の痛みや違和感が最も少ないポイントを探ってみてほしい。そこが自分のニュートラルゾーンになる。
「24時間その状態をキープすることはできませんが、日常生活の中で時々意識するだけでもいい。デスクワークでも背もたれを使わずに座るなど、なるべくニュートラルゾーンを意識してください」
自分の体は、自分で把握し、管理する。それだけが腰痛改善の道、ということのようだ。