立つ歩くが難しくなるロコモ
「立つ」「歩く」が難しくなるロコモ
ロコモティブシンドローム略称:ロコモをご存じだろうか。骨、筋肉、関節、軟骨、椎間板など運動器のいずれか、あるいは複数が加齢により衰えて障害が起こり、「立つ」、「歩く」といった移動機能が低下した状態のことだ。
最新の「国民生活基礎調査」(厚生労働省 2016年)によれば、転倒・骨折、関節疾患、脊髄損傷などの「運動器疾患」は、要支援・要介護になる最大の原因だ。「認知症」(18%)、「脳血管疾患」(16.6%)を抑えて24.6%を占めるが、この事実は意外と知られていない。認識の低さに危機感を抱いていた日本整形外科学会は、高齢化率が21%となり、日本が「超高齢社会」となった2007年、世界に先駆けて「ロコモ」を提唱した。昨年7月には、集団検診にロコモの診断を取り入れるなど、地域を挙げてロコモの予防に取り組む神奈川県大磯町を世界保健機関(WHO)が視察。「世界のどこも行っていない先進的な取り組み」と評価したという。