四十肩、五十肩
四十肩・五十肩の種類
冒頭に記載しましたが、四十肩・五十肩とは「肩関節の周囲が痛む症状」の総称で、肩の痛みを発生させる疾病が複数存在します。
具体的な疾病例は以下のとおりです。
肩関節腱板炎
肩関節には腕を上げる際に働く【腱板】と呼ばれるインナーマッスル(筋肉)が付着しています。加齢とともにこのインナーマッスルが摩耗して炎症を起こした状態が肩関節腱板炎です(単に腱板損傷ともいわれる場合もあります)。この肩関節腱板炎は四十肩・五十肩の中でも大きな割合を占めているといわれています。
肩峰下滑液包炎(けんぽうかかつえきほうえん)
肩関節の動きの自由度を担保するために筋肉と骨の間には、第2肩関節と呼ばれる肩峰下滑液包という袋が存在しています。この袋の中には滑液とよばれる液体が入っていて、肩関節の複雑な動きに対応する仕組みになっています。この肩峰下滑液包が何らかの原因で炎症を起こした状態を指します。
肩の痛みに加えて腕のだるさや夜間の痛み(夜間痛といいます)が発生する場合もあり、腕を横に上げたときに痛みを感じやすくなります。
上腕二頭筋長頭腱炎
もっともメジャーな筋肉!といっても過言ではない、二の腕の力こぶをつくる時に固くなる筋肉が上腕二頭筋です。この上腕二頭筋の腱は上腕骨の通り道(結節間溝)を通って肩関節に付着しています。この通り道である上腕骨と上腕二頭筋の腱がこすれて炎症を起こした状態を上腕二頭筋長頭腱炎といいます。主に、腕を上げたり、ひねったりするとズキっとした痛みを感じます。
これらの疾病のほかにも、烏口突起炎(うこうとっきえん)、不安定性肩関節炎、石灰化沈着腱板炎などの疾病が原因となり痛みが発生している状態がいわゆる四十肩・五十肩といわれます。