腹筋
次に、姿勢を維持する筋肉の中でももう一つ大切な筋肉、「腸腰筋」について見てみましょう。
腸腰筋は、腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉。大臀筋の主な拮抗筋(筋肉運動の際に反対の動きをする筋肉のこと)として、腿上げに使われる筋肉です。
腸腰筋を鍛えることで、例えばランニングにおいては、身体が安定し、推進力が増加するなど、運動能力との相関が強いと言われています。
筋肉は基本的に収縮することで働くものですが、腸腰筋が働く時、つまり収縮する時は、骨盤が前方に引っ張られる形になるため、腰が反りやすくもなります。腹直筋が弱いと腰が反りがちになるということと、腸腰筋が収縮するときは腰が反りやすくなるという2点を踏まえた上で、スポーツする時の腹筋の重要性を見てみましょう。
例えば、ランニングの時は、脚を上げるたびに腸腰筋に引っ張られて腰が反りやすくなりますが、ここで腹直筋がしっかり働いて腰が反るのを止められないとどうなるでしょう。
なんと長距離を走る結果として反り腰がひどくなり、腰痛へと発展しかねないのです。
つまり、健康や身体作りのためにランニングを始めたのに、ランニングのせいでかえって腰痛になってしまうというショッキングな事態にも。そしてこれは、サイクリングなど他のスポーツでも同様のことが言えるのです。