睡眠の質3
眠っていない子ほどテストができない
脳の機能が低下し日常生活に支障をきたすことも。
「まず、単純作業の能率が下がり、根を詰めた仕事や作業もだんだん持続しにくくなる。集中力や注意力、記憶力が低下し、ミスをしやすくなります」
東洋羽毛工業株式会社の睡眠健康指導士・金子勝明さんから衝撃のデータが明かされた。
「人間は目覚めて15時間後に注意力のテストを実施すると“酒気帯び運転”、18時間後だと“酒酔い運転”に近いレベルを示すという調査結果もあります。テスト期間は一夜漬けするよりも、1度寝てから早起きして勉強したほうが記憶も定着するということです」
実際に、睡眠不足の子どもほど成績が悪い。
’14年に改定された厚生労働省の『健康づくりのための睡眠指針』では、不規則で遅い就寝や起床が成績の低さと関係している旨が指摘されている。広島県教育委員会が’03年に行った調査では、小学5年生を対象に国語と算数の試験結果と睡眠時間を調べたところ、睡眠時間が5時間以下の場合、国語の平均が51・9点、算数が53・9点。9時間以上10時間未満の場合、それぞれ70・3点、73・7点。差は歴然だった。
睡眠時間が長い子どもほど、ものを記憶するのに重要な役割を果たす「海馬」が大きく成長するという研究結果もある。