肩関節3
スポーツによる肩の痛み
最近は中高年の方に、スポーツが原因となる肩痛を起こす例が増えています。中高年の場合には回復に時間がかかったり、慢性化しやすいといった傾向があるので注意が必要です。
スポーツによる肩の痛みには大別すると、肩(腕)を大きく動かすことによるもの(野球、テニス、水泳、ゴルフなど)、打撲などの衝撃によるもの(サッカー、バスケットボール、野球など)があります。
損傷を受ける箇所などによって、次のようなさまざまな障害がみられます。
<腱板損傷>…肩の奥にある回旋筋腱板(小さな筋肉群と腱)が傷つき、炎症から痛みが生じる。
<インピンジメント症候群>…腱板の一部や肩の動きを滑らかにする滑液包が変性し、上腕骨先端とぶつかり炎症を起こす。
<上腕二頭筋長頭炎>…上腕二頭筋(力こぶを作る筋肉)の一部が上腕骨と接触し、炎症を起こす。
<脱臼>…転倒時の打撲や無理な動きから、肩関節がずれる。腱板損傷をともなうことも。
スポーツによる肩の痛みは、腱板断裂や骨折など重症化していることもあります。自己判断せず、冷湿布などで痛みが引かない場合には早めに受診しましょう。
また、予防のためには、次のことに注意することが大切です。
・運動を始める前に十分な準備運動をする。
・やり過ぎない(張り切りすぎない)。
・痛みを感じたらしばらく休む。
・睡眠不足のときはやめるか、軽めにする。
・日常生活にストレッチ運動を取り入れる。