運動で腰痛とストレスの両方に対策
悪循環を断つカギは、楽観的に痛みと向き合い、ウォーキングやストレッチなどの運動を行うことだ。運動は腰痛の予防や再発防止にも有効であることが分かっており、日本整形外科学会の「腰痛診療ガイドライン」には「慢性腰痛に対して運動療法は有効である」と明記されている。
これまで腰痛に対する運動療法では、腹筋や背筋を鍛える運動が行われることが多かったが、最近注目されているのは、腹筋や背筋の中でも特に深部の筋肉(コアマッスル)を鍛える運動だ。こうした運動によって、腰の可動性と安定性を高められ、腰痛の改善に効果的であることが分かってきた。
米国医師会が発行する医学誌「Archives of Internal Medicine」に発表された研究では、週に75分のヨガやストレッチを取れ入れたコアマッスルを鍛える運動を12週間続けると、腰痛を軽減できることが明らかになった。
腰痛があるからといって体を動かさないでいると、筋肉の委縮が起きて活動性が低下したり、精神的に落ち込んだりして、生活の質が低下しがちになる。生活の質を保つためにも、積極的に運動を生活に取り入れることが大切だ。