トイレで目が覚める… 「夜間多尿」改善ポイントは?
夜間多尿かどうかの判別ポイントは? どうすれば改善する?
夜間多尿は、なぜ起こるのでしょうか。「夜間に出る尿の比率が増えてくる理由の1つは、加齢とともに腎臓の機能が落ちて、日中の尿の排出量が減ることです。また、高齢になると下半身に水分がたまって、夕方に足がむくむようになりますよね。夜間に横になると、体がそのたまった水分を出そうとするんです」
夜間多尿かどうかの判別のポイントは、「昼も夜も頻尿なのか、夜だけ頻尿なのか」という点です。「昼も夜もトイレの回数が多いようだったら、前立腺肥大症や過活動膀胱。夜だけ頻尿なのは夜間多尿です」と高橋さんは解説します。ただ、「夜間多尿に前立腺肥大症や過活動膀胱が加わっていることもよくあります。原因が複数あるとしたら、1つずつ対応していくことが大切です」
夜間多尿の改善のポイントは、下半身の運動、減塩、早めの夕食、寝る前の入浴といった生活習慣を取り入れることです。「下半身のむくみを取るには、ウオーキングなど下半身を動かす運動をすること。特にふくらはぎの筋肉を使う運動がお勧めです。寝る前の入浴も有効です。下半身に水圧がかかり、血流も良くなるので、寝る前に尿が出やすくなります」(高橋さん)。寝る直前にものを食べると、夜間トイレで目が覚めやすくなるので、夕食は就寝の3時間前までに済ませましょう。また、過度に水分をとっていれば、当然多尿になります。「適切な1日の尿量は、体重(kg)× 20~30mL です。夜間頻尿に困っている人は、過度に水を飲まないようにしましょう」
塩分の取りすぎにも注意が必要です。「塩分をたくさんとっている人ほど夜間多尿が多いという報告があります。塩分をとると、ナトリウムを排出するために腎臓の血流量を増やさなければならないので、血圧が上がり、尿量も増えます。反対に、塩分を控えめにすれば、腎血流量が減って血圧が下がり、尿量も減るんです」減塩や運動は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を防ぐためにも有意義な習慣です。夜間多尿のある人は、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。