あっ…「ぎっくり腰」 その直後、激痛でも動ける裏技
現在、西欧諸国や日本の腰痛の診療ガイドライン(治療指針)では、ぎっくり腰などの心配な病気のない急性の腰痛には安静が推奨されていないという。
「腰の痛みが激しい場合、当日、翌日くらいは仕事を休んでも仕方がないですが、痛み止めの薬を飲みながら、家事などでできそうなことがあれば、普段通りにやりましょう。寝たきりで安静にする必要はありません。海外のガイドラインでは、ぎっくり腰などの心配な病気のない一般的な急性の腰痛の場合、安静にして寝ているのは長くて2日までとしているものが多いと報告されています」
ヘルニアや骨の変形が痛みの原因とは限らない
ぎっくり腰で整形外科に行き、X線検査を受けた後、画像を見ながら先生に、「椎間板がすり減っているね」「骨に棘(とげ)がありますよ」などと言われたことはないだろうか。これ以上悪くなったらどうしようと不安になった人もいるだろう。椎間板のすり減りや骨の棘は治療しなくていいのだろうか。
「画像診断はぎっくり腰と他の病気を鑑別するために行いますが、その際、骨の変形(棘)やちょっとしたズレ、ちょっとした椎間板ヘルニアなどが見つかることはよくあります。ほとんどは加齢による変化で、白髪やシワのようなものです。これらは必ずしも腰痛と関連するわけではありません。ちなみに、腰痛がない人でも40~59歳の約8割、60歳以上の約9割に椎間板の異常が見られたという有名な論文があります
中高年にとって骨や椎間板の異常があるのは自然なこと。あまり心配はいらないそうだ。「むしろ、心配や恐れなどのストレスは脳に影響し、腰の痛みを増幅させたり、長引かせたりします。腰の痛みや加齢による変化を過剰に心配したり、怖がったりしすぎないことが大切です。冷静に『動かしても大丈夫なんだ』と思い、体操をしたり、なるべく早く日常生活に戻るようにするといいのです」