自律神経、呼吸法で調整
加齢とともに副交感神経の活動レベルが低下
2011年のベストセラー『なぜ、これは健康にいいのか?』(サンマーク出版)の著者として知られる順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏によると、交感神経の活動レベルは加齢の影響を受けることはないが、副交感神経は加齢の影響を受け、男性は30歳以降、女性は40歳以降から副交感神経の活動レベルが徐々に低下していくといいます。
この副交感神経の活動レベルをなんとか高めたいものですが、とはいえ、自律神経は私たちの意思とは無関係に動いています。はたして、それを意識的にコントロールすることができるのでしょうか。
実は、それを可能にするのが呼吸法なのです。意識的に行う呼吸法の効用については、お釈迦様も「大安般守意経」というお経の中で説いています。
私たちはふだん無意識に呼吸をしています。しかし、その速さや回数を意識的にコントロールすることはできます。この無意識に行っている呼吸を、意識的なコントロール下に置くことで、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスをとることが可能となります。
実際に、息を吐く際には、副交感神経が強く働きます。つまり、吐く息に意識を置いた呼吸法を行うと、副交感神経の働きを高めることができ、交感神経とのバランスがとれるというわけです。