自律神経と筋肉
カテゴリ: 新着情報 / Blog
作成日:2021年03月21日(日)
5、筋ポンプ作用と筋交感神経活動
持続性筋収縮時に筋交感神経活動の促進反応がとくに強く働くのは、この筋収縮時には筋血管が圧迫されて、筋血流が阻害され、疲労物質などが蓄積し易く、これによって筋内の代謝受容器が刺激され易いためと考えられます。
一方、律動性筋収縮時には筋収縮と弛緩が繰り返すため、いわゆる筋ポンプ作用が働き、静脈還流が促進されます。 したがって筋内への疲労物質の蓄積と代謝受容器への刺激が少なく、筋交感神経活動の促進反応が持続性収縮時ほど強く出現しないようです。
律動性運動の場合には、筋ポンプ作用に伴う静脈還流の促進によって圧受容器への負荷が増し、筋交感神経活動への抑制性効果がもたらされます。
運動時に、この抑制効果が筋の代謝受容器からの入力による筋交感神経活動の促進効果を上回る場合には、筋交感神経活動は抑制されます。