膝痛対策
膝の痛みの原因(2):変形性膝関節症
40代以降の膝の痛みで最も多いのが、変形性膝関節症です。特に女性に多く、体重の増加、高齢になるほど発症率は高くなります。
●変形性膝関節症のメカニズム
膝の関節軟骨は、骨と骨の間で衝撃を吸収するクッションのような役割をしています。しかし、関節軟骨は加齢によって弾力性を失い、すり減ります。若い人の関節軟骨は硬いゼリーのような状態ですが、年齢とともに豆腐のようなもろい状態になってしまいます。その結果、膝の骨同士が接するようになり、関節の変形や強い痛みが出ます。膝関節に水がたまって腫れることもあります。
●変形性膝関節症の原因
加齢のほかに、「肥満」も変形性膝関節症の原因のひとつ。体重が重ければそれだけ膝にかかる負荷は大きくなります。また、下肢の筋力が少ない人もなりやすいと言えます。このほか、女性に多いことから性ホルモンが関係しているとも言われています。
●変形性膝関節症の症状
多くの場合、膝の内側の関節軟骨がすり減るため、痛みも内側に出ます。このほかにも、以下のような症状が現れます。
膝をピンと伸ばせなくなる
膝を完全に曲げられなくなる
O脚になっていく
歩くと強い痛みが出る
正座ができなくなる
しゃがめなくなる
速歩きができなくなる
手すりがないと階段の上り下りができなくなる
膝の周辺が腫れる
膝周辺が熱を持つ
●変形性膝関節症の治療方法
軽度であれば、痛み止めの内服薬や外用薬・湿布の処方、膝関節へのヒアルロン酸注射が一般的です。膝のサポーターや足の裏につける装具の使用、足の筋力をつけるリハビリも効果的です。
このような治療でも治らない重度の患者は、骨の変形を矯正する手術や人工膝関節置換術などの外科的治療も検討します。
●変形性膝関節症の予防・改善方法
変形性膝関節症の予防・改善で肝心なのは、「下肢の筋力をつける」「体重を増やさない」の2点です。そのためにおすすめなのが、水中ウォーキングです。浮力を利用して膝に体重をかけずに下肢の筋力アップができます。