首痛2
運動で首などをリラックスさせるパソコンの普及もあって、首の痛みを訴える人が増えています。その最大の原因は、よくない姿勢を長時間続けることです。
パソコン作業をしている人の多くが、背中を丸め、顔を少し前につき出すような姿勢をしています(今のあなたの姿勢はどうですか?)。
この姿勢は、頚椎には不自然な状態です。特に、アゴをつき出すと、首が後ろに反り、頚椎や首の筋肉を緊張させます。長時間続けていると、首や肩の血液の流れが悪くなり、疲労物質の乳酸などが蓄積し、こりや痛みを引き起こします(※2)。
パソコン作業にかぎらず、一般的なデスクワークや、テレビをみているときなども、同様のことがいえるので注意が必要です。
首の痛みの予防と改善の第一歩として、背筋を伸ばし(背中をいすの背につける)、アゴを少し引く姿勢を心がけましょう(時々自分の姿勢を見直し、意識的に姿勢を整える習慣を身につける)。
また、長時間同じ姿勢を続けると、首の筋肉や頚椎に大きな負担となります。30分に一度は席を立ち、次のような運動をします。
(1) 首を左右にゆっくり倒す(5秒くらいずつ交互に5回)
(2) 顔を左右にゆっくり向ける(首の筋が少し張る位置まで向ける。5秒ずつ交互に5回)
(3) 肩を大きくゆっくり回す(前回しと後ろ回しを5回ずつ)
(4) 腕を上げてブルブルとふるわす(腕を下げてブルブルふるわす)全部やっても3分程度なので、忙しいときにも合間をみつけてやりましょう。
からだを少し動かすだけで、血行がよくなり、疲労物質などがたまりにくくなります。これらの運動は首、肩、腕などをリラックスさせるためなので、力をいれず、ゆっくりやるのがコツです(急に強く動かすと、筋肉をいためることがあるので注意)。
ただし、首の痛みが強い場合には、いきなり運動をしないこと。受診して鎮痛薬などを処方してもらい、その上で医師の指導のもとで運動を始めてください。
また、眼鏡の度が合っていないと、デスクワークのときに前かがみの姿勢になりがちです。背筋を伸ばし、アゴを引いた姿勢で見やすいように、眼鏡の調整をしましょう。(※2)最近の研究では乳酸そのものが痛みの原因ではなく、同時に生成されるヒスタミン、キニン、プロスタグランジンなどの物質が、痛みを引き起こすとも推測されています。痛みの発生メカニズムには、まだ不明の部分が多くあります。