耳鳴り
過労、ストレスが原因の「めまい」や「耳鳴り」「難聴」
内科や脳神経外科などで異常が見つからず、めまいや耳鳴りが改善しないため受診される方が少なくありません。治療を受けても、背景にある過労やストレスが解消できていないために良くならないことが多いのです。
ある日突然、片方の耳の聞こえが悪く(つまった感じに)なる「突発性難聴」、めまいや耳鳴り、難聴を何回も繰り返す「メニエール病」などが代表的です。過労やストレスにより耳の奥にある内耳の一部(平衡感覚を維持する部分)に循環不全などが生じ発症すると考えられています。薬の内服が治療法ですが、大切なのは、過労、ストレスを解消する対策を本気で実行していただくことです。
過労、ストレスの原因は各年齢層でさまざまです。具体的には30~40歳台では、休み無く働く過酷な労働環境、それに伴う対人関係、50~60歳台では中間管理職としてのストレス、介護、意外なこととしては小さいお孫さんのお守り、それ以上の年代では老老介護、不眠症、意外なことでは、自由な時間ができそれまでできなかった趣味への没頭による睡眠不足、などなどです。女性に多い理由としては、まじめで責任感が強く、また完璧主義的な性格の方が多いからかもしれません。
治療に関してよく患者さんにお話しすることは、「お薬を飲んでも疲れは取れないですよ」という当然のことです。仕事量をコントロールし、睡眠を確保し、リラックスする時間を作るなどの対策を計画的に実行し、自分の体のことを考えてあげる意識改革をしていただくことが治療の本質と考えています。実は、長引くカゼ症状などに対しても同じことが言えます。過労やストレスが体の抵抗力(免疫力)を低下させることがわかっているからです。多くの病気の治療の主役は医療ではなく本人であるという理解が大切です